第4話 異星人の正体
「船長! 住人が!」
隊員の声で我に帰ると、目の前に星の住人達がこちらを見てニヤニヤと笑っていた。
「無理だ…この星を侵略するなど、無謀すぎる、どうやってこんなに多くの戦闘力を隠していたのだ、ほかにもどんなものを持っているか分からん! こんな危険な場所からは…撤収だ!」
隊員達は駆けだし、乗ってきた船に乗って大急ぎで宇宙へ帰っていった。
それをレストランの中にいた市長が隣にいた老人に、笑って言った。
「やれやれ、帰って行きましたね、博士」
「あぁ、上手くいった。我々の作った酒、これは飲ませた相手に恐怖の幻覚を与える酒だ」
博士と呼ばれる老人は得意げに答えた。
「これこそ、我々の文明が総力を結集して作った、科学力の塊ですものね」
市長も満足げに言う。
「これがあれば無駄な争いを回避することができる。彼らと私達とでは科学の使い方が異なっているようだが、本来科学とは争いに用いられるものではない。科学力を持って争うなど、愚行だよ。争いなど、民度の低いことを起こさないようにするためのものだからな」
二人はレストランを出た。
「おやおや、彼らが物珍しくて、みんなここまでついてきていたようだね」
中心地近くに住む住人が外に出てきてしまっていたようだった、理由はもちろん訪問者を見るためである。
みんな口それぞれに、
「いやぁ、初めて見たな。なんだか感激だ」
それを聞いた子供が父親の袖を引っ張り、見上げながら尋ねた。
「お父さん、あれは誰なの?」
「あれかい? ずっと遥か昔から互いの星の民族同士で争いを繰り返し、お互いに蔑みあい変化も発展もしていない民族さ。名前は確か、そうだ『地球人』といったな」
不思議な星人〜異星人がはるばる降り立った星に来た目的は侵略だった〜 赤坂英二 @akasakaeiji_dada
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