第6話 残されたスイッチと・・・
男が救助士に連れられてその星を発ったあとのこと。
「助かって良かったねぇ、彼」
スイッチの傍の岩がゴロゴロと動き出す。
コロッとした姿、それはこの星の住人。
「そうだね。だけどこのスイッチが何の意味もないなんてびっくりだなぁ」
「これ一回押した時すぐにあの彼の宇宙船が落ちてきたからね。とんでもないことやっちゃったって思ったよねぇ」
「すっごい悩んだもんね。『押したら何が起こるのー?』って」
「結局、これはおもちゃみたいなものだったってわけだね」
一人があの時に押したスイッチを押した。
カチリと音を立てる。
「何の仕掛けもないってわかると気兼ねなく押せるね」
「どうなるかわからないから押したかったんだけどね」
すると彼らの目線の先でフラフラと宇宙船が高度を下げながらこの星に不時着した。
不時着した男〜星で男は妙なスイッチを見つける〜 赤坂英二 @akasakaeiji_dada
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