第7話「魔女とスーパー」

「…ほう!これは新品当然の古いお札!希少価値があるものですね!」


結衣とウルウは近くの骨董屋へ行って店主に見せてもらっていた


たまたまというものの骨董屋が近くにあったためそこしかないと決めてさっき出した古いお札を持ってやってきた


店主はその真新しいお札を見て興味津々。何円札にもかかわらずとても良くみてくれた


「ねえ店主さん。これ、どう思う?」


「はい。ここまで新品なお札は見たことありません。大変貴重価値のあるものです。しかもいっぱい持ってるとは!」


さすがの色々なものを見てる店主ですらここまでのものは見たことないらしい


「…どのぐらいの価値になりますか?」


「全て私のほうで売ってくれるなら数十万はしますね」


え!?そのぐらい!?その鑑定結果で結衣は驚く他なかった


「あ、あの…!」


「わかったわ。じゃあ全部売却するからね」


おいおいこんな貴重なやつ全部売っていいのだろうか



結果的に約30万ぐらいの価値となりそのままウルウの持ってたお札を売却


本当なら金塊も渡す予定だったがそれは地価があるため一応保留という形になった


たくさんのお金をもらいるんるん気分のウルウ。こんなもらっていいのかなあ…と思っている結衣


「これで色々なもの買えるわね。結衣」


「う、うん…」


この金額、どうしよう…しかし色々と買えるのは確か。だったらウルウのために買うのもいいかもしれない


まだ令和の時代に復活して日にちが経ってないウルウ。…そうだ。スーパーに行くか


「ウルウ。一応ある程度のお金は家に置いてスーパーに行かない?」


「うん?スーパー?」


…ああそうだろうそんな単語昭和にはないだろう


「要するに色々な食材が売ってる店よ。そこに行こう?」


「へえ~色々な食材ね!」


とりあえず一旦戻ることにした2人



家に帰り、ある程度のお金を置き、スーパーに行くことになった2人


ウルウもすっかり嬉しそうに結衣に付いて行く。やっぱりこの人に出会うのは運命だったのだろうか?


なんだか不思議だ。最初こそ意味不明だったが、自然と打ち解けてやがて一緒になれた


魔女とはスケールの大きい存在なんだと思った。ウルウがそうだし全てが規格外だ。魔女とはでかいのだろう


じゃあスケールの小さい、小さい魔女とはいるのだろうか?それも聞いてみないとわからない


そんな考えごとをして結衣が案内して着いた先は大きいスーパーだった


「えーと名前は…サミー?」


「日本全国に展開する大型スーパーだよ」


そう言うと早速中に入る2人。時期が時期なのか涼しい空気が2人を包む


「わあ涼しいわ」


「スーパーって基本こんな感じなのよ」


結衣はカゴを持って店内に入る。様々な食材を見てウルウはどこか嬉しそうだった


「…全部美味しそう」


「ウルウ?お金に限度があるからね?」


とりあえず野菜から。次にお肉。たまには魚。そしてここで結衣は言う


「ウルウって好き嫌いある?」


「私のことをバカにする人は嫌いよ」


「違う違う食事の好き嫌い」


「そうねえ…うーん…無いかしら…」


そうなのか。なら大丈夫だろう。嫌いなものがあったら置くかと思ったが


ついでに冷凍保存されている食品も買うことにする。ウルウは何かと思った


「これは?冷たいわね?」


「冷凍食品って言ってレンジで加熱して食べるんだよ」


「レンジって?」


…それも後で説明しておこう


「家に帰ったらやり方説明するね。こういうのは美味しいものよ」


ある程度カゴに入れただろうか。そろそろレジに持って行こうとした


「じゃあだいたいカゴに入れたからレジに行くね」


「ねえねえレジって?」


…それも説明しないといけないか。そう思った矢先…


「オギャー!!」


結衣とウルウはその声に反応する。近くにいた赤ん坊をおぶっている女性だった


「え!どうしてここでぐずってしまうの?こ、困ったわ…」


結衣とウルウはその女性を見ていた


「ぐずる?」


「つまり赤ん坊が泣き出してしまうってこと」


「オギャー!!あーん!!」


「ああどうしようおしめでも無さそうだしこれでレジに並ぶのもだめだし…一旦置いて外に出ないとだめかも…」


ウルウは反応した。結衣に言わず黙ってその女性の近くまで来た


「そこの人」


「は、はい?」


女性はあまりにもでかすぎる女性、ウルウを見てやや驚く。しかしウルウは笑顔だった


「あのね。赤ちゃんが泣くのはとても良いことなのよ。貴女が悪いわけではない。大丈夫。ちょっと任せてね」


「え?ええ?」


そう言ってウルウは赤ちゃんの目を見た


「大きい声で泣いてるわね。これはきっと将来元気な子供になるわ…。ねえ赤ちゃん。私の目を見て?」


赤ちゃんは泣いていたが、ウルウの目を見るようになった


「そう…良い子よ。ほら、もっと見て」


みるみるうちに赤ちゃんは泣くのを止めた。すると赤ちゃんは笑顔になり、笑い始めた


「子供が…笑顔に!?」


結衣はその光景を見てたが、これもウルウの魔法なのか?


突然泣くのを止めて笑顔になった赤ちゃん。女性はものすごく驚く


「あ、あの…!何かしたのですか?」


「ううん。全然大したことしてないわ。ただ、私の瞳は安らぎの瞳を持つの。それだけよ」


ウルウは笑顔を絶やさない


「元気に育ってね。じゃあね」


彼女は結衣の元に戻っていった


「凄いわねウルウ」


「別に。元からある性質なのよ」


そう言って結衣とウルウはレジへと向かう。女性はウルウのことを見て、赤ちゃんを見て、笑顔になっていた



「…レジってああいうのね。まるで魔法のようなものだったわ」


レジで支払いをして買い物袋に入れてスーパーを出た2人


「まあある程度魔具…かもしれないね」


すっかり夜になったこの街。2人は仲良く歩いて家に戻ろうとした


「さっきのあの赤ちゃんを慰めたのは一体なんなの?」


「私の瞳は癒やしの瞳を持っているの。これは誰にでもわけじゃなくてその魔女の一族の関係があるのよ」


なるほど。じゃあ他の場合もあるのか


「…威圧する瞳とかあるの?」


「あるわね。赤い瞳だと威圧する瞳ね。でもあまりいないのは確かよ」


「ふうん…」


やっぱり魔女って色々いるのか…細かいことを聞かないとちょっとわからないかも



今日もウルウのことを知った


その時点で前に進んだのだろう



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私と魔女のヒストリア 緑樹ユグ @yugu1120

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