第6話「魔女と原宿その3」
「おまたせしました。セットのご注文です~」
店員さんが運んでくれたのは大きいサイズのハンバーガーとポテトとジュースであった
「これがハンバーガー?」
「そうだよ。食べよう」
そう言って2人は食べ始める。まず食べたのはハンバーガー。一口でハムっとウルウは食べる
「はむっ…もぐもぐ…ううーん!何これ美味しいじゃない~!」
やっぱり満足してくれた。やはり体型の現状維持としてはこういうのを食べさせたほうがいいのだろう
結衣も一応食べる。このハンバーガーは外れのない飲食店だから当然美味しいことは美味しい
だがちょっとなあ…ウルウのためとは言え少々お金を使ってしまった。しばらくは節約しないとだめだろう
うーん。ウルウの体格維持のために食事も考えなくては…
「ねえ結衣」
「何?ウルウ」
ちょっと考え後してたらもうハンバーガーを食べ終えていてポテトのみになっていた
「食べるの早すぎ…」
「魔女っていうのは簡単な摂取をすぐに食べる力が必要なのよ」
早食いも基本なのか…また新たに魔女と言うのを知った結衣
「じゃあ…ウルウじゃない他の魔女さんたちもそうなのね?」
結衣が言うとウルウは少し困った顔をする
「…どうしたの?」
「実は他の魔女は世界あちこちの場所にいて、ここ日本ではあまりいないと思うの」
そうなのか…結衣はすでに食べ終えたハンバーガーの後にポテトを食べつつ飲み物も飲む
「そういう…連絡交換ってしなかったの?」
「ううん。してるわ。でも。現代になって果たしているかどうかは不明なのよ」
ウルウが封印されたのは昭和の時代。そして今は令和の時代。確かにいるかどうかは全くわからないのだろう
「一応魔具で通信がとれる物があるの。試しにそれをやってみるとしますか」
どういう魔具だろう…ほうきといい。お次はなんだろうか
「でもねウルウ。ちょっとお金を使いすぎたわ。ウルウのためならいいけどね」
「お金…この時代でもそれが必要なのね?」
その通りだ。結衣はゆっくりとうなずいた
「私、そのお金って持ってるのよ。だからそれ…」
「ストップ。昭和時代のお金でしょ?今は令和。絶対無理だから」
そう言って結衣は1万札、5千円札、千円札を見せた。ウルウはそれを見てほ~と言った
「これが今の札…有名人だらけ…」
札を見て納得するウルウ。しかしウルウは何かをひらめいたのかぽんと手を叩く
「だったら私の持ってる札で骨董品の場所に行く?」
「え?いいの?だって集めたやつでしょ?」
「いいのよ。前に…昭和に使っていたお札は基本真新しいものばかり。きっと売れば良いお金になると思うわ」
…だったら…お願いしてみようかな…
「わかった。じゃあそうしよう」
骨董品かあ…ただの昭和のお札がお金になってくれるだろうか…
すっかり食べ終えた2人は外に出てそろそろ帰ろうとした。再び竹下通りを通って進む
「相変わらず人多いなあ…」
ウルウに聞こえるか聞こえないかのトーンで言う結衣。すると隣にいたであろうウルウの姿がいなかった
「あ、あれ?ウルウとこに行ったの?」
結衣は後ろを向いた。するとウルウは誰かと話していた。これはまずいやつだ
「へぇ~色々と売ってるのね」
「そうなんですよ。女性用もあるので!」
そんな声が聞こえた。結衣すぐにウルウの側まで行って腕を引っ張る
「え?結衣?」
「ウルウ!あははーごめんなさい私たち急いでいるんでーあははー」
そう言ってウルウを引っ張って去っていく。幸い追っかけてはこなかった
「な、何どうしたの結衣?」
「ウルウ。あれはキャッチって言ってボッタクリの店だからついてきてはいけないんだよ」
「キャッチ…ボッタクリ…つまり高いお金が必要ってことなのね?」
「そーゆーこと!」
竹下通りをまっすぐ進み駅へ。ようやく帰れることになった
~
「ただいま~。ふう、長時間のお買い物だったわ」
自分の部屋へ帰ってきた結衣とウルウ。まあウルウが喜んでくれてよかったなとは思う
ウルウは帰ってくると早速魔導書の魔具のページを開いた。結衣がこのページを開いてウルウが出たものであった
「ウルウ?もしかしてお札のこと?」
「うん。えーとどこだったかしら…」
なんで国民的アニメの誰かのようにすぐには取り出せないのだろうか…
「あったわ。これ!」
ウルウが取り出したのはいわゆる金庫箱であった。これは会社でも見たことある
「これ…なに?」
「うん。親が持ち主だったけどいなくなってから私のものになったのよ」
しかしその金庫箱、やけに大きい。何が入っているかわからない
まずウルウは解錠から始めた。鍵はダイヤル式になっておりウルウはすぐに鍵を開けた
「番号わかるの?」
「ええ。私の誕生日よ」
ちらっとウルウの解除したダイヤル式を見ると0328となっていた。つまり誕生日は3月28日なのか
ウルウは金庫箱の蓋を開く。そして早速何かを取り出した。それはお札だった
「わ…!なんて状態がきれいなお札なの!」
ビニール袋なのか透明の袋にたくさんのお札があった。どこも傷や破りがなく状態がきれいだった
「これは…高く売れるんじゃ」
「あ。これもあるわ」
次に金庫箱から取り出したのは棒状のものだった。いや?これはもしかして、のものだった
「こ。これって…!金の延べ棒!?しかも5つも!?」
「親がなぜか持ってたの。これも今売れば高く買い取りしてもらえると思うわ」
ああ…ウルウのお母さんお父さん…ほんとにありがとうございます…結衣は心から感謝をした
「でもさ。お札は売るとして金の延べ棒は少し待ったほうがいいと思うよ。これ、時期によっては値段変わるから」
冷静になってウルウに言う
「わかったわ。じゃあ、お札だけ持って棒はそのままにしておくわね」
相変わらずでかい図体で。相変わらず優し口調と青い瞳で言うウルウ。不思議だ。こんな人が一緒になるなんて
「えーと。この付近の骨董屋は…」
結衣はスマホを取り出した。そのものにまた驚くウルウ
「それ、何?」
「スマートフォンって言って電話だよ」
「電話!ダイヤルで回すやつじゃない!」
…もしかしてウルウは黒電話をイメージしてたんだろう
こんな最新式をいちいち説明するのはめんどくさいが、昭和から全然知らないので仕方ないことだ
「えーと…近場にあるわね骨董屋。そこに行こう」
「うん。どれぐらいかしら」
…ただ普通の状態の良いお札なので期待はあまりしないが…
原宿に行って楽しんだ
またウルウと一緒にどこかに行こう
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