第48話 エピローグ
第2王女であるリリアナの状態は端的に言って酷い・・・尋問をするのに早々にカナエとミカを部屋の外に出した。王女は延々と俺を誘惑し、口から出るのはとてもではないが書けない卑猥な内容だった。
美人で清楚そうな見た目をしている王女の口から、次々と卑猥な言葉が出るのをもう見たくなかった。最近増えた体重はポイントにだけしていたので、2、3のスキルならすぐに取得できる。本来は見た目通りの女性で、淑やかでまるで聖女としか思えない人柄だったそうだ。
俺が取得するのはサキュバスやインキュバスを追い出すのに有効な【除霊】だ。何故か除霊が有効だと教えられたから、このスキルを取得することにしたんだ。
拘束した第2王女の顔を手で挟み頭突きを食らわせた。美女に頭突きとは絵面的によろしくないが、ぎゃーーと叫ぶと、その口から出てはならないような罵詈雑言が俺に向けられた。
数分後、体からモヤのようなものが出てきて、俺の体に入ってきた。予想しなかった俺が悪いのだが、俺の体の支配権を賭けた戦いが始まった。
戦いのことはあまり覚えていない。一時的に体を乗っ取られて暴れようとしたらしい。幸い異常を察したミカとカナエが俺をベッドに縛り付けて拘束し、起きるまでエライニスとシルフィスを加えた4人が交代で身の回りの世話をしてくれた。
もちろん、下の方もだ。恥ずかしくて穴があったら入りたいが、俺はインキュバスとの勝負に勝ったことは覚えていて、精神体を食った形だ。リリアナも拘束して自殺を防いでおり、俺が動くことができるのを待っていたとミカが言う。
何日インキュバスと戦ったかわからないが、明らかに何日か経過しており、俺はまともに立てなかった。なんと1か月もかかったそうで、その間精神体と戦っていたようだ。その間にほとんどのことが終わっていた。
シルフィスが失脚したリリアナの代わりに国の立て直しを図っていた。エライニスがサポートしながら・・・
同級生たちの洗脳も解け、訓練する日々を送っていた。
魔王の脅威がなくなったわけではなく、いずれ対峙しなければならない。何故皆が訓練の日々を送っているか?それは帰る手段がなく、この世界で生きていくしかないからだ。最低限自立するための力、非生産系も最低限町の外に出ても太刀打ちできるようにと訓練し、それから己のスキルと向き合うことになったと聞いた。
俺はリリアナの記憶を消す決断をした。あまりに惨いからで、本人に聞くも「殺して」と、死なせてとしか言わなかったからだ。まだ肩を貸してもらわないと歩けないが、記憶を操作するスキルを得た。皆にはこのように死ぬ選択肢しか持たぬ者や、犯罪者の記憶を消すことくらいにしか使わないと宣言した。
数日後、俺は再び立ち上がった。体はまだ完全ではなかったが、心は強くなっていた。仲間たちと共に、新たな冒険へ向けての準備が整った。「数年後、必ず魔王を討伐する。そのために、今は訓練を重ねよう。」
俺はクラスの奴等の修行の状況を見つつ、ミカとカナエを連れて1年ほど掛けて大陸の他の国を見て回り、また戻ってくることにした。そして数年後を目処に、魔王の居所を突き止め、討伐することを目標としてクラスの奴等は修行に励むのだった。
俺?気が向いたら手伝うかな・・・
異世界でハズレスキル【安全地帯】を得た俺が最強になるまで〜俺だけにしか出来ない体重操作でモテ期が来た件〜 鍵弓 @keybow5963
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