[BL短編]CatROSE/It's呪Bitch-俺ノ終ワリノ始マり-
@gadychuu
第1話
23⚫️
「お疲れ様ね咲良君。」
「お疲れ様です咲良当主。」
大の目の前には師匠とその弟さんがいた。
同じく大も丁寧に一礼する
「ありがとうございます師匠に智華楽さん。」
二人は笑みを咲かせた。
「丁度、私達もそうだったから。
でも貴方が来て事の重大さに気づいたわ。
私達だけでは危険だと思ったのね。」
だが大はそれを否定した。
「いえ師匠も一人で出来た筈です。
それにアタシは国から来た訳では無いの。」
大は本来の話し方に戻る。
「あらそうなのね咲良君。」
智華楽は少し動揺していた。
それは話し方だったが。
大はそんな事に気にせず続けた。
「私はとある人の約束で此方に来たのよ。
古い私の母の友人にね。」
すると若干瞳が揺らぐ師匠である遠子。
大は続ける。
「まぁこれ以上は言えません。
まだアタシは別の用事があるから先に行きますね。
あと師匠?後の事は頼みますね、では。」
そう言って二人を後にした。
遠子は少しため息を零す。
そんな姉を見て智華楽は心配する。
「大丈夫よ本来は私の仕事だからね。
気にしなくて良いのよ?智華楽。
あの子は・・・天命の一人だからね。」
-つづく-
22⚫️
だが繊美は何かしらの違和感を察知した。
繊美は少し諦めるかのように肩を落とす。
「・・・結界内に閉じ込めれた。」
繊美は強く大を睨みつけた。
そして右の人差し指で大を指す。
「お前達!!あの餓鬼を駆逐せよ!。」
すると大洪水かのように大に襲いかかる。
大は逃げる事も無く呑まれていく。
しかし繊美の曇りの表情は晴れない。
それ以上に緊張が強くなる。
・・・こんな事では奴は死なない。
私は奴の手の中だ。
繊美は瞼を閉じた。
暫くして覚悟を決め瞼を開く。
髪は解け、黒髪は白で染めていく。
そして人間皮を剥ぎ本来の姿となる。
その姿はやはり蛾のように人型だ。
凶々しく恐ろしいが何処が美しい。
「我が蟲よ!!我に集え!!。」
すると大方の妖が繊美に集まり溶けていく。
「・・・私はまだ満たされないといけないのだ。
私も選ばれる者なのだ!!。」
そして遂に大が口を開く。
「・・・もう良いわよね?。」
すると大を覆い被さる妖達が紅雷で吹き飛ばされる。
「呪装・怒紅炎雷・・・激昂!!。」
すると結果内の上空からその場を埋め尽くす炎雷が怒号を叩きつけた。
地響きが悲鳴を挙げ、結界さえも苦しく唸る。
妖達は苦しく事もさえ許されず塵へと消失する。
その中に耐える一人の妖蚕こと繭姫、繊美さえも徐々に存在が塵へとなる。
そして女は安らかに笑みを咲かせたのだった。
あの日の大切とある男性の笑みの記憶広げながらに・・・。
21 ⚫️
大は鼻で笑った。
「あらあら何も言ってないのに認めるんですね。
寂(さび)れた蛾よ。」
繊美は何も言わなかった。
大は続ける。
「国から調査依頼が来たわ。
アンタも今月三月までに何人食ったの?。
行方不明は既に数千人になってる。
此処を調査する警察も十数人も行方不明。
アンタ政府を舐めすぎよ?。」
また繊美は何も言わない。
そしてまた続ける大。
「貴方の伝説は聞いてるわよ。
今までに何度も子孫を利用し転生してきたのかしら。
妖の渇きは恐ろしいわね。」
すると漸く口を開く繊美。
「・・・仕方ないのよ。
私は数百年も此処に身を置いてる。
私は此処を何度も救ってきた。
私は恩返しされないといけない立場なのよ。
何が悪いと言うのかしら?。
本当に人の考える事は分からない。
私はただ自分を満たせれば良いのよ。
此処が終わってもどうでも良いのよ。」
すると突然、繊美は両腕を目一杯に広げた。
「だから私は満たしていく。
この世の生を受けた私がね。
私には産まれた時から選ばれた存在なの。
だからは私は満たされないと行けないのよ。」
そして突然、大気大陸中が轟音を唸る。
理由はこの場所の端から大量の妖が此処に集まる。
繊美は余裕の笑みを咲かせる。
「幾ら貴方でも数百万者の妖を散らせるかしら?。」
20⚫️
同時に背後から誰かが軽い拍手をする。
校内の入り口からのようだ。
「事は終えましたかな咲良家当主よ。
いや・・・天命様。」
その声音は年老いた女性の声だ。
すると先程までいた天宮 全は姿を消していた。
どうやら大は彼を別の安全な場所に転送したようだ。
大は膝を伸ばし立ち上がる。
そして背後を向いた。
「おやおや随分と速い登場ですね繭姫の末裔。」
先程の声主は此処の理事長である繊美 唯人だ。
「勝手な事は困りますよ?天命様。」
大は溜息を吐く。
「その名は辞めて頂きたい。
その者は他にも数人は居ますしね。」
唯人は笑みを咲かせる。
「左様ですか。」
しかし唯人の目つきが変わる。
「それで、本当はどんなご用件でしょうか。」
大は呆れながらに笑みを咲かせた。
「恍けるのは如何なモノかと。
ご説明致しましょうか?。」
大は挑発的な物言いをした。
すると彼女の角膜は白から黒に変色していた。
そして瞳も黒から金へと。
女王、繊美唯人は戦闘体制に入る。
19⚫️
すると口に鼻に目に穴という穴から水が溢れ出す。
異形の体内から洪水が起こってるようだ。
その水圧により膝から体勢を崩した。
そしてその場に倒れる。
同時に異形は泣いていた。
まるで今まで我慢してたかのように。
そして異形は何故か何度も何度も母を呼ぶ悲痛を叫ぶ。
「イカナイデ・・・イカナイデ・・・いカナイデ。
いかナイデ・・・いかなイデ・・・逝ナイデ。
逝かないで・・・俺らを・・。」
そんな姿を見た大は異形を酷く愛おしく思えた。
異形となった彼は煙草を吸っていた。
彼だけでは無くソレを吸うモノは悲しみを感じやすいのだ。
それを逸らす為にソレを吸う。
私は吸った事は無い。
どんな感じなのかも知らない。
私達、術者はソレらを弱点となる。
しかし毎度思うのよ新鮮だってね。
大は前から異形の上半身を持ち上げ支える。
そして両手で異形の頬を支えた。
異形は未だ哀しみの中にいた。
そして再び全に深いキスをする。
大自身、口内にとある祝術を流し込む。
またその術に陽も含ませた。
人には負もあれば正もある。
はたまたソレらが重なる時もある。
どうやら咲良 大はそれに精通してるのかもしれない。
そしてお互いを貪り合う。
それはまるで人の直の温かみを感じたいかのように。
見えぬ果実で心を満たしたいかのように。
舌を吸い吸われ、舐め舐められる。
それを何度も繰り返していく。
そして離れる度に銀の糸は切れまた繋がる。
同時に異形の皮から本来の全が咲いていく。
そして互いが蕩けるような視線をぶつける。
大は全に静かな笑みを咲かせる。
全の瞳は微かに動く。
そして大は全に暗示を掛けた。
「おやすみ全、少し長い眠りへ。」
次第に全の瞼を降り静かに眠りについた。
そんな彼の頭を優しく自身の胸に預けた。
18⚫️
其処には異形の何かがいた。
見には何やら炎を見に纏い、辺りには灰が舞ってる。
まるで獣のようだ。
そんな姿を見た大はまた好奇に笑みを咲かせる。
「凄いね全身、灰にならないのはね。
かなりの生命力を感じるわね。」
まだ興奮するかのように全身で快楽に耐えていた。
この呪術は負の感情を呪霊化する。
彼は私を拒絶してた。
勇気の反対は怒りである。
それを逆手に取らせて頂いたわ。
「でもまぁ普段からプレッシャーなのね。
勝つ事にかなり執着なさってるわね。
恥を思えば思う程にその身は保たなくなるわよ?。
その感情は暴力か穴が空くかのどちらかしか無いものよ。
・・・まぁ良かった、君も人間で。」
すると異形は戦闘体制に入る。
・・・まぁ聞こえないか怒りに呑まれた獣に。
すると異形は音速並に大の目の前に現れる。
同時に目一杯に片腕を伸ばし大の顔を葬ろうとした。
だが大は異形の腹部に片手で拳を叩き込む。
絶大なダメージにより異形は少し体制を崩した。
そしてその瞬間に大は次の呪術を行使する。
「呪法情発・悲海溺哀。」
17⚫️
だが奴は俺の耳元にこう囁いた。
「君弱いね?。
呪法暴情・逃哀恥脈爆怒(トウアイチミャクバクド)。」
そしてその場所途轍もない爆風と共に轟音を響かせる。
同時に何かが流星のように運動場に落ちた。
それは転校生である咲良 大。
大の視線は少し空へと視点変えた。
其処には宙を舞う少女のような女がいた。
「先生ありがと。」
彼女の名は山鐘 遠子。
そして彼女は魔女である。
「ふー準備出来ましたよ咲良君。
後は宜しくお願いしますね。
終わり次第、また此処に帰ってきます。」
そう言って少女のような女は此処を一瞬で後にした。
彼女は此処にいる人々を一時的に別空間に避難したのだ。
そして大の視線は先程いた教室の方へと視点を戻す。
16⚫️
すると全自身の耳元に湿ったモノを感じた。
そう一瞬にして転校生が間合いを攻めて来たのだ。
全は咄嗟にその場から離れようとした。
しかし先程からの見えぬ拘束から解放されて居ないのだ。
しかし又もや転校生は感心した。
「へー君、戦闘に慣れて居るんだね。」
私に自身に睨みを利かせる彼。
・・・堪らない。
「君・・・気に入ったよ。
ずっと君みたいな存在を探してたんだ。」
そう言って自身の舌を舐めた。
すると全は自身の口内に温かいモノを感じた。
私は余りにも彼の唇が欲しくなった。
彼の全てがまるで私を殲(つく)していく。
私の凡ゆる細胞が歓喜に満ちる。
転校生は彼を味わう。
そして二人の間に銀の糸が伸び光り輝く。
転校生、咲良大の表情は火照っていた。
そして軈てその銀の糸は切なく切れる。
転校生は狂うように全身で彼を感じていた。
「沁みて行くよ君が!!殲されていくぅぅぅ。」
しかし当の本人である全は唾液で吐き捨てる。
「これで漸く除けたな。」
そして次の瞬間だった。
全は左拳に力を入れ咲良 大の頬に全力で殴り飛ばそうとした。
15 ⚫️
しかし全だけは驚いていた。
余りにも奇妙な事に・・・。
そう隣には座っていた同級生が居たのだ。
「・・・岩崎は何処だ。」
彼は絶句していた。
突然の非現実な出来事に。
しかし周りを見渡すと先程と変わらずだった。
・・・どういう事だよ。
そして全が大声を挙げようとした時だった。
「・・・。」
・・・身動きが取れない。
全は現状にやや困惑する。
しかし目の前で視線を合わせて不気味な笑みを咲かせるあの転校生がいた。
「君凄いね?天宮 全くん。」
転校生の瞳は全に好奇を照らす。
「全くん君みたいなのは初めてだよ。」
転校生は更に嫌な笑みを裂けていく。
「それに面白いね君。
こんな状況なのに恐怖よりもアタシに対しての敵意が強いとはね。
戦闘準備ってとこなのね全くん。」
14⚫️
理由は担任である雛森に声を掛けられたからだ。
「じゃあ咲良君。」
「はい。」
二人の光景を見る燈は別の興奮をしていた。
・・・わぉこのカップリングも中々ねぇ。
可愛いと可愛いはホンマにSlayなんやけど。
あっ余りにも興奮してもうて関西弁出てたやん。
此処は関東やからさぁ。
隠してるんよね。
恐いとか言われるしぃ。
まぁそんな事よりも此処・・・。
ホンマに天国過ぎるんよ!!。
マジでヤバい!!・・・マジでSlay!!。」
燈は幼い頃から両親が洋楽好きである。
決して英語が出来ないがこうやって人生を楽しんでるのだ。
それに腐女子歴は今年で三年になる。
きっかけは転校した友人の部屋に泊まった時だ。
中学一年の時に出逢ったが数ヶ月後に転校してしまったみたい。
すると雛森先生が咲良に自席を紹介した。
「そこの席が君の席だよ。
隣は天宮 全君です。
全君!!仲良くしてあげてね。」
無意識のAngel Sweetスマイルスマイルに周りは溶けていくの本人つゆ知らず。
13 ⚫️
同時に此処にいる人達は息を呑んだ。
それは余りにも美しい少年に。
しかし全は動じなかった。
彼だけ一人はこの少年に違和感を覚える。
それ直感的に本能が危惧していた。
そして真琴は周りと同じだった。
・・・綺麗。
何だろ余りにも美し過ぎる。
凡ゆる所作すらも輝く宝石のようだ。
皆んな転校生に夢中になっていた。
芸能人としてデビューしたら一夜で人気になりそうなぐらいの美しさだ。
そして転校生が周りにニコッと笑みを咲かせる。
その度に男女の黄色い声援が行き渡る。
タイガもダイキも周りとは冷めてるモノの息を呑んでいた。
そして転校生は一礼する。
「初めまして咲良 大と申します。」
するとまた男女青、赤混ざる黄色い歓声が響き渡る。
そんな転校生は一人だけ違う色を見つけた。
二人は数秒見つめ合う。
そうその彼は全であった。
彼の瞳は品定めを灯していた。
また威嚇にも近い敵意をチラつかせていた。
しかし咲良はその瞳を逸らしたのだ。
12⚫️
そして雛森先生は今日の日直に声を掛ける。
「今日の日直さんはダイキだね頼むよ。」
するとダイキは自席から立ち上がりクラスメイトの声を掛ける。
「起立。」
低い彼の声が心地よくクラスに響き一斉に立ち上がる。
ダイキもそうだが兄にタイガは幼い頃から異常にモテる。
見てみて三人を観るBoys&Girlsを・・・。
もう凄すぎて嫉妬すら塵だよね。
「礼。」
すると僕達は座り始める。
雛森先生は周りを見渡す。
「はい、今日も1日お願いします。」
ふと僕は思う。
何だかダイキは雛森先生の前だと凛々しいという事に・・・。
そして視点はダイキへと移る。
・・・はぁ。
ダイキは入学当初から雛森先生に恋に堕ちたのだ。
今まで好きになる事は無かった。
すると雛森先生が急に両手を鳴らす。
ダイキは少し驚いていた。
・・・びっくりした。
「じゃあ早速ですが今日は転校生の咲良 大君が転校されます。
既にね外で待っていてくれます。
皆さん温かく迎えて下さいね。
ほら皆さん横を見て下さい。
綺麗な桜ですね。」
すると俺以外の全員が拍手をする。
・・・春。
俺は窓の外を見る。
確かに桜が散り待っている。
「はぁ?今って夏じゃ・・・。」
そして前の扉が開かれた。
11 ⚫️
「うん・・・。」
涼都 燈。
性格はかなり明るく皆んなのムードメイカーな存在。
中一から今まで同じクラスメイト。
そして燈は鞄からから教科書などを机の中に入れ始める。
「ねぇ真琴?。」
「うん?。」
すると燈が話題を持ち掛けて来てくれた。
「最近さぁ変な夢見るんだよねー。」
僕は相槌を打つ。
「何かね・・・白い糸みたいなんがさぁ。」
すると真琴の顔が苦虫を噛んだかのような表情をした。
「あっもしかして真琴?怖いの無理?。」
真琴は頷いた。
「ごめんよ・・・とりま変な夢を見るんよね。」
そして暫く沈黙する。
真琴は申し訳なくなり話題を持ち掛けた。
「ねぇ燈?今日、転校生来るね。」
「うんそうだね、どんな子が来るんだろうね?。」
そして燈は教科書類を入れ終わる。
同時にチャイムが鳴った。
キーンコーンカーンコーンと四回ぐらい響く。
そして前の扉が開いた。
担任の雛森 悠斗先生だ。
先生はいつものように大輪の笑みを咲かせて挨拶をしてくれた。
クラスメイトもそれに応える。
同時にあの二人もギリギリ教室に入る。
雛森先生は二人を砂糖のように睨む。
本人はきっと恐いと思ってるんだろうけど・・・。
クラスメイト達はまるで極上に美味なプリンを口にし頬が堕ちる表情をする。
雛森先生は学校全体、いやこの地域の愛されキャラなのだ。
今年で25になるそうだが、余りにも全てが可愛いのだ。
失礼に当たってしまうのが・・・。
どうか心の中だけは思わせて下さい。
10 ⚫️
僕達は中学生になってからもほぼ同じクラスだ。
タイガが先頭でドアを開ける。
いつも思うが僕にだけこういう態度なのだ。
正直、嬉しさもあるが僕は同じ年齢なのに。
「まぁいっか。」
すると此方に振り向くタイガ。
「どうしたんだ?真琴。」
僕は直ぐに首を振る。
そんな行動もタイガは甘くさせる。
・・・はぁ可愛い過ぎる。
それから僕らはクラスメイト達と軽く朝の挨拶をする。
クラスメイトの人数は24人ぐらいだ。
徐々に此処の人口は減ってきてるらしい。
そして自席に座る。
「はぁ・・・。」
何だか午後の気分だ。
幼い頃からあの三人の対応は疲れる。
けどまぁ唯一何だか長男になった気分だ。
三人とも長男だからね。
そして僕は壁に掛けてる時計を見る。
「・・・8時50分か。
あの二人は大丈夫かな?。
それに・・・燈は今日もギリギリか。」
因みに燈は隣の席のクラスメイトだ。
すると扉が開く音がした。
「あっ・・燈だ。」
・・珍しい。
燈は僕の隣である。
「ぉっはよー。
てか珍しいって思ったでしょ?。」
9 ⚫️
するとダイキは二人の裸締めに抵抗する。
「おいお前ら離せ!!。」
全は悪魔のように笑みを大輪に咲かせる。
「良くも無視しやがってぇ。」
そんな声を背中で聴きながら僕はさっさと歩く。
すると肩に誰かの手が置かれる。
「俺も一緒に行くぞ真琴。」
どうやらタイガだった。
「うん。」
真琴は俺に素っ気ない態度を取る。
「・・・真琴?怒ってるのか。」
真琴は素っ気なく答える。
「・・・別に怒ってないよ。
僕には関係無いもん。」
・・・本当にこういう時は他人のフリが一番だ。
勝手に戯れ合うのは良いけど、周りに迷惑は掛けて欲しくないね。
何回も全には言うけど口だけなんだよね。
タイガから見ても不機嫌なのが理解した。
「いつもごめんな。」
・・・何回目の謝罪なんだよ。
真琴は密かにツッコミを入れたのである。
そして二人は先に教室へと向かったのであった。
8 ⚫️
因みに赤髪がタイガ。
黒半白髪にしてるのが全。
そして青髪がダイキ・ブルーク。
僕は大きく溜息を吐いた。
「もーう仲良くしなよ。」
するとダイキはタイガと全を素通りして僕に挨拶をする。
「おはよー真琴。」
二人は背後から文句を言う。
「おい無視してんじゃねぇぞ。」
「おい真琴に手出すんじゃねぇぞ。」
僕はまた大きく溜息を吐く。
だが変わらず無視を貫くダイキ。
二人は何かを企む。
すると二人は片方が腕で首を絞め、もう片方は体制を崩させ、二人でダイキの身動きを封じる。
「はぁ・・・僕はもう先に行くね。」
彼の名はダイキ・ブルーク。
アメリカ黒人男性と日本女性のハーフだ。
彼の父も有名なUBAスターだ。
名はマイケル・ブルーク。
タイガとダイキの父は昔一緒のチームのスター選手だったそうだ。
7 ⚫️
「あっにぃに。」
真琴は兄である天宮 全に声を掛ける。
奴は直ぐに俺から真琴の距離を話す。
コイツも俺と同じぐらいの身長だ。
お互いが睨みつける。
真琴はそれを見て溜息を吐く。
「にぃに大丈夫だよ。
僕は何もされてないし、そうやって睨むのは辞めて。」
因みに僕は160cmで二人とは30cm差もある。
兄は僕の声は響かなかった。
するとタイガは挑発的に哀を嘆く。
「あーあ折角、良い所だったのにな。」
全は溜息交じりに言う。
「知るか、オメェの下心に信頼は無い。」
真琴はタイガを見る。
・・・何だか気まずそうだ。
ふとタイガと目が合ったが、逸らされた。
・・・えっ。
するとまた聴き覚えのある声がした。
「おい!!そろそろ授業始まんぞ!!。
糞共と真琴。」
6 ⚫️
「もーうだから僕はぁ。」
彼はいつも優しく意地悪してくる。
名前はタイガ・フレイッド。
父親は有名なUBAのスター選手。
母親は日本人。
お二人が出逢ったのはオジさんが来日した時に通訳としてオバさんに出逢ったそうだ。
因みに彼はバスケ部で副キャプテンだ。
キャプテンは僕の兄である全だ。
兄は基本的にサボるが容量はとにかく良い。
因みに兄も彼も身長は優に2m超えている。
それなのに顔まで非常に整っているのだ。
西洋の血、恐るべし・・・。
しかしタイガは未だ向日葵の笑みを咲かせている。
タイガは内心こう思っていた。
・・・可愛いな真琴。
そう彼は真琴にゾッコンなのだ。
10年以上も真琴に恋をしてるのだ。
するとタイガは僕の頬を大きな手で僕の頬を包み込む。
急な行動に少し驚くが日常茶飯事である。
「・・・何?。」
タイガは再び内心で喜び。
・・・可愛いぞ真琴。
うんうんマァ君。
好きすぎて・・・ヤバい。
アソコが・・・。
そんな事もつゆ知らずの真琴。
・・・いつまでするんだ。
タイガは今の甘い空間に酔いしれていた。
まるで大好物をお口に堪能してるかのように。
そんな感覚をタイガは心で味わっていた。
しかしとある人物の一声でそれは苦味に変わったのだ。
5 ⚫️
「おーい真琴!!おはよ!。」
聴き慣れた声音が心地よく僕に響く。
僕は背後を向いた。
「おはよ!タイガ。」
彼は向日葵のような笑みを咲かせて此方に向かった。
「どこ行ってたんだ?真琴。」
彼は僕に優しく大きな手を頭に置く。
相変わらず身長ははるか遠くだ。
体格もかなり鍛えてるから非常に逞しいのだ。
けど真琴は少し拗ねて頬を膨らます。
「もう子供扱いしないでよタァ。」
彼は更に笑みを咲かせていく。
「良いじゃん・・・。」
僕は風船が抜けるように拗ねる。
4 ⚫️
因みにこの学園は少し遠くに高等学園がある。
さっきも言った理事長だけど昔は中等に教師をしてたみたい。
その時に在学してた先生が自慢してたよ。
「今も美しいけど、あの頃は国宝級だった。
まるで本当に天女のような存在だった。」
それに当時はファンクラブがあったみたいだね。
まぁ非公式だけどね。
そして真琴は手洗い終えた。
「はぁ冷た。」
・・・お湯出せるようにして欲しい。
真琴は自身の腕時計を見た。
「もう40分か少し早めに行こう。」
そして僕は教室へ歩き始める。
徐々に学校は活気を咲かせていく。
何だか学校内の凡ゆる景色が感慨深くなっていく。
きっと卒業するからだろう。
すると・・・。
3⚫️
その女性から織物を渡されたそうだ。
青年はこう反応した。
それはまるで星々のように美しかったそうだ。
それからこの土地は次第に景気を作っていく。
全盛期の頃は非常に豊かだったようだ。
まぁ今はその逆に近いんだけどね。
理由は非常に高いからだ。
それに織物の原料である蚕の糸は此処の山でしか捕まえる事は出来ないようだね。
・・・それにとある都市伝説があるんだ。
繊美山の蚕を持って別の土地に行けば必ず死ぬそうだ。
それに不思議と必ず大きな糸袋が見つかるみたい。
何てただの迷信だけどね。
でも・・・あっそうだ因みにね、繊美山にいる蚕は繊美蚕って言うんだ。
そのままだけどね。
でね本題に戻るんだけど、繊美蚕って僕達が知ってる蚕よりも何か薄気味悪いんだよね。
だから僕も母も兄も好きじゃ無いんだよね。
父さんは変わってるけどね。
因みに僕は双子なんだ。
僕は後産まれだから弟で兄は天宮 全。
性格は真逆だと思う。
僕は周りからフワフワとか言われるけど、兄はギラギラしてるみたい。
まぁ小さい頃からかなりのヤンチャなんだよね。
でもね、弱い存在は必ず守るタイプなんだよね。
そういう兄が僕にとっての最推しだね。
2 ⚫️
僕が住むこの土地、善富市という。
古くから織物が盛んな町だった。
けど時代の波に上手く対応出来ずに今となったのだ。
若い人は都会へと身を置いていく。
此処は自然で居心地が良い。
けど僕も此処を出るつもりだ。
僕には兄と仲良い幼馴染二人がいる。
その二人とは本当に幼い頃からの仲だ。
友達、親友以上の存在だ。
まぁ要は家族のような存在なのだ。
つい最近は知る人ぞ知る神社に行って来た。
それが繊美神社というお寺だ。
つい数年前の事だ。
国内にある神々の擬人化ゲームが流行った。
その中には繊美神社の繭姫も登場した。
キャラの可愛いや性能が受けて人気となった。
それに開発者の中には善富市出身の方がいるそうだ。
因みに僕が通う此処、繊美中等学園は繊美神社に縁がある血縁者が創設した学園だ。
それに現理事長の繊美唯人先生もその一人だ。
そして繭姫はこの繊美神社に奉られてる神様だ。
簡単に説明すると。
遥か昔、この土地は非常に貧しかった。
飢え死に日常茶飯事だった。
しかし、とある青年がある夢を見た。
白く輝く美しい女性が青年の夢で語りかけたそうだ。
女性はある山を指示した。
けど不思議な事に青年はあの山だと理解したのだ。
それから青年はその山を登った。
其処にはあの女性が居たそうだ。
1⚫️
時刻は8時半となった。
とある少年は腹痛でトイレにこもっていた。
「あー何で朝からアイスを食べたんだろ。」
彼の名は天宮真琴。
今年で中学生年生となる。
朝食時にアイスを食べたいと思ったのだ。
母には少し止められたが、気にせず食した。
でもこのザマだ。
「・・・はぁ最悪。」
・・・
・・・
・・・。
そして数分後に腹痛は少しずつ引いてきた。
「そういえば・・・もう直ぐで卒業か。」
長いようで短い三年間だった。
・・・あと数週間か。
それにしても志望校受かって良かった。
真琴は一人で静かにソッと安堵した。
そして暫くして事を済ませトイレから出る。
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