鬼さんこちら
紫閻-sien-
目が覚めると そこは薄暗い森だった
そして何者かの足音が聞こえる
ココがどこか分からないが とりあえず逃げることに
(なんでこんなことに・・・)
薄暗い森を何者かに追われながら
あてもなく わけもわからず走っている
出口を探すのも大事だが
今は追いかけてきている何者かを振り切る事が先決
薄暗いのでボンヤリとしか見えなかったが
逃げる時に見た影は ゆうに2mは超えてるだろう
いや もっと大きいか・・・
とにかく あの足音の大きさと
やつが歩くたびに起きている振動から察するに
かなりの大きさだと思える
そんなことを考えながら走ってると 目の前に小屋が見えてきた
ラッキーな事にドアが開いた状態
男は藁にもすがる思いで小屋に飛び込みカギを掛けた
奴の足音が近づいてくる
見つかりませんように 男はただ ひたすら祈るしかなかった
足音は 小屋を通り過ぎ 少しずつ 遠ざかっていく
(助かった・・・・) そう思い 小屋の窓から外を見ると
少し離れた所には着物姿の子供が立っている
その子は目が合うとにっこり笑い 大きな声で
「鬼さんこちら手の鳴る方へ」
そう言いながら手拍子を始める
手拍子の音と子供の声が薄暗い森にこだまする
再び物凄い足音が聞こえてきて 小屋が揺れ始めた
確実にコチラに向かってきている
「鬼さんこちら手の鳴る方へ」
子供が段々 小屋に近づいてくる
それに比例して 足音が近くなり
小屋の揺れも大きくなる 咄嗟に身を隠す男
足音も子供の声もかなり近づいてきたところで
「ココだよ 鬼さん」 そう声が聞こえ
同時に小屋が一瞬で踏み潰された
鬼さんこちら 紫閻-sien- @sien702
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