《プロゲーマジャンクフード(自称引き籠りショタ)は、異世界の夢を見る》

七星北斗(化物)

1.カップ麺の三分間。

 僕こと花舞伎リク六歳は、引き籠りである。


 ジャンクフードも飽きたな~。出前でも頼もうか、でも、この辺りのデリバリーにも飽きているし。ならば、ここはカップ麺だよね。


 焼きそばにしようかな~、ワサビラーメンにするべきか?やはり王道の、豚骨ラーメンにしよう。


 お湯を注いで、三分待ってね。三分あれば、ゲームができる。コントローラーに手を伸ばす。その瞬間、床に魔方陣らしきものが現れた。


「なにこれ!ドッキリ?」


 ちょっと待って、体が床に沈む。怖いんだけど、誰か助けて。


 スキル《豊潤なる胃袋》を習得しました。


「豊潤なる胃袋って何っ?ってか頭に声が響いたよ。漫画でよくある、これが天の声?」


 ってか、そんなことを考えてる場合か。何とか逃げ出して。


 あ、無理だ。人間諦めが肝心って、父さんも言ってた。父さんが諦めたのは、僕に関してだけど。


 何かに呑み込まれ、所持品はスマホのみ。どこだここ?木々が生い茂り、鳥らしき生き物のさえずりが聞こえる。


 スマホを操作して、現在地を調べようとするがわからない。


 地図アプリを開くと。


《現在ここは未開拓エリアです》


 だそうだ。どうやら自身が歩いた分だけ、地図が更新されるようである。


 何か他に、役に立ちそうなアプリはないだろうか?しかしゲームアプリばっかりだな。


 これはなんだろう?入れた覚えのないアプリが!


 どういう原理かわからないが、異世界食を食べるとポイントが加算され、様々な物が買えるショッピングアプリのようだ。


 そしてあとからわかったことだが、スキル取得やステータスの振り分けにも、このポイントが使える。


 それはともかく、このステータスでどうしろと。僕の前には、ステータス画面が表示されている。しかし全てのステータスが一だった。


 それに引き籠りというバードステータス付きだ。外に出ると、能力値が全て二倍になる。引き籠りに外に出ろだと、これは完全に呪いだ。


 早く森を出てどこか安全な建物へ、そして引き籠ろう。


 しかしおかしい、軽く歩いただけで苦しい。ステータス画面を確認すると、空腹状態になっていた。


「原因はこれか」


 何か食べ物が食べたい。そこに生えてるキノコは、食べられるのだろうか?


 悲しいことにスキルは何もない。初期ポイントが十あるだけだ。振れるステータスは【力】【防御】【生命力】【魔力】【器用さ】【敏捷性】【知力】【抵抗】【幸運】【命中】十項目だ。


 この十ポイントをどう振るかが鍵だが、今の僕ってHPが一だし、デコピンで死んじゃうんじゃ。


 生命力に五ポイント振り、ステータスが六になった。いきなりHPが六倍とは、チートだ。でも六じゃ、あってないようなものだよね。

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《プロゲーマジャンクフード(自称引き籠りショタ)は、異世界の夢を見る》 七星北斗(化物) @sitiseihokuto

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