間話 戦争について。
西暦2050年
魔法が伝説から科学に変わって、1世紀半。
異能として在った魔法という不確かな法則を確実な技術として解明し、科学の一科目へと落とし込む。
人間の究極にして原点。未知の解明。
その結果、人類史は大きく変わった。変革と、言うのだろう。
不治の病は大きく減少した。
災害は被害減少、復興は迅速になり。
建設業は建設時間は短縮され。
医学技術の多大な進歩を招き。
各国は、
軍事事業に力を入れた。
これは確かに効率的だった。手を動かさず物を操れるなら、徒手格闘で人を殺せる。
視力をデメリット無しで跳ね上げられるなら、狙撃手はキルゾーンを広げる。
権力者は戦いに、闘争に傾倒していく。
人間の排他的な側面が顕在化したのだろう。
1970年代、戦争が始まった。
二回目の世界大戦。悪夢の始まり、栄転の終わり。
国際社会は機能を停止、大日本帝国は米国との盟約を切らざるを得なくなり。
大日本帝国内は軍令部の改革を開始し元老院は幕を閉じ。代わりに幕僚がその座についた。
国内において軍属の影響力は増し、軍事力において比類なき強者に躍り出た、
代わりに人権意識は低下、魔法師は国家戦力に成り上がり、消耗品へと成り下がった。
魔法師は、それでも人間だ。その特性上適正があり、軍部はそれを調整しなければならない。管理者として。
その建前の下、国内でさえ、権力と戦力の奪い合いがある。
この戦争は、百年近く続いた。
繰り返す、磨耗と再起。短期停戦、短期回復。
それを可能にしてしまった、魔法という力が。
破壊された要塞は数日のうちに再築され、
そのたびに技術力は進歩していった。
これもまた、解明と克服、人類の本質。
故に魔法という一分野だけでなく、科学の各分野が発展していった。
DeadEmblem −デッドエンブレム− 蒼眼の死神 ポピーの騎士 @beb
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