第3話 はじまり
起きたら西野紗霧になっていた...?漫画やアニメの世界じゃあるまいしそんなことが有り得るのだろうか。
「心あたりは?」
普通であればただの痛い人認定をしてすぐさまこの場から立ち去るだろう。
しかし彼女の目はとても嘘をついてるようには思えない。
「特にないわ、強いて言うなら私は恋マジのファンで人よりは多く恋マジをプレイしてるぐらい、、」
川橋から余計な事を言ってしまったという表情が終始伝わってくる。
「なら特に原因がある訳でもないのか」
「そうね」
気づけば話し出してから20分以上が経っていた。
俺としては面倒くさくなる前にそろそろ話を切り上げたい。
「じゃあ疑問は解決したことだし俺はこれで帰るよ、昨日あまり寝れてないから家で休みたいんだ」
俺はゆっくりともたれていた壁から背中を離し、扉の方向へ歩き出した。
「ちょっと!貴方まさか聞くだけ聞いて去るつもり?」
「そのつもりだが...?」
「貴方には人の心がないのかしら?」
川橋が鋭い目つきで睨んでくる。
なるほどな...そういうことか。
「俺に元に戻れるよう手伝えと?」
「察しが良くて助かるわ」
全く、俺としても問題事に巻き込まれるのは本意では無い。
待てよ...よく考えると少しおかしな点がないか?
「他の友達は前の姿からの変化をなんとも思ってないのか?」
川橋が大きなため息をつく。
何やら辛そうだ。
「なんでか分からないけど書き換えられてるのよ、周りには元から今の顔って認識らしいわ」
これで周囲の人間が気づいていれば他の人に任せて逃げれるが、どうやらそうもいかないようだ。
やれやれ、俺の中にもまだ善意はあったらしい。
「分かった手伝うよ、ただし無理のない範囲でな」
「そう言ってもらうと嬉しいわ」
川橋はホッとしたのか胸を撫で下ろした。
「で?とりあえず何から始めればいいんだ?」
「そうね、、私と同じ境遇の人もいるかもしれないし明日あたり図書館や学校内を調べてみるのはどうかしら?」
「俺もその意見には賛成だ」
そうして僕らは屋上を後にした。
これからの事を考えると少し面倒な気もするが、何やら面白いことが始まるような予感もした。
???「何やら面白そうなことをしてるのぅ、わしも是非混ぜて欲しいものじゃ」
何者かが物陰からにやりと笑った。
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現実に乙女ゲームのキャラが存在したのでオリジナルルートを開拓します! らそまる @rasomaru23
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