第2話 川橋さんこんにちは

「祐平!川橋さんに西野って...どうなったらそんな間違いするんだよ!!」

晃がプルプルと隣からの西野の恐ろしい目線に怯えている。


「川橋って名前なのか俺の隣」


「まさか祐平、、隣の席の名前も知らなかったのか?! 川橋涼音かわはしすずねさんだよ」


「どこから仕入れたかわからんが、初日にクラスの女子の名前や情報を丸暗記してるお前とは違うからな」


「もう祐平くんのバカッ!!激おこぷんぷん丸だぞ^^」

やっぱりこいつここで締めといた方がいいかもしれない。


それはそれとしてなるほど...名前1文字もかすってない訳だ。

俺が名前を間違えたのは事実だけど、だとしても何故彼女はそこまで怒るのだろうか。


「一日中ずっと祐平のことを睨んでるようだけどいざという時は安心したまえこの僕が・・」


ドンッ


「さっきからお二人とも楽しそうね?私の話を真横でするなんていい度胸じゃない?」


川橋(西野)が右手で配られたプリントをぐちゃぐちゃに握りしめながら、怒っているのか笑っているのか分からない表情を浮かべている。

これはやばい、、殺されるかもしれない。


「ヒェッ・・すいませんでしたぁぁぁあ」

晃にいたっては瞬時に殺意を感じ、足早に教室を去っていった。

この僕が・・の後は一体なんだったのだろうか、今度会った時は是非聞きたいものだ。


「ところで門崎くんだったかしら?そろそろ話したいことがあるからついて来てくれると嬉しいのだけど」

いつの間にか時刻は午前12時を指していた。

入学初日ということだけあって、今日は早めに学校が終わったのだ。


「あぁ、分かった」


その後川橋に引っ張られるようにして、屋上まで連れて行かれた。

屋上の扉を閉めるなり川橋がゆっくりと口を開き始めた。


「1つ聞きたいのだけれど、西野ってどういうつもりで呼んだの?」


やはり名前を間違えたことを根に持っているらしい。

ここは正直に話すのが得策だろう。


「実は友達に勧められた恋マジの西野紗霧ってキャラに似ててついそのキャラの名前を呼んでしまったんだ、ごめん...現実に乙女ゲームのキャラなんている訳ないのにな」


「そ、そ、そうなんだ〜、ふーん世の中にはそ、そんな珍しいこともあるんだね」

ん?なんだ、、明らかに川橋が動揺している。


「川橋さんは恋マジやったことあるの?」


「え、まあ私もそのゲーム結構好きよ」

やはりさっきから何かを隠してる。

もしや、、


「もしかしてだけどこのキャラの真似をしてる?」


「はぁ?!真似ですって!」

川橋が今にも殴りかかりそうな雰囲気を醸し出している。

逃げたい...


「私だって西野紗霧なんてキャラになりたくて演じてる訳じゃないのよ!ある日起きたら西野紗霧になっていたの!!」


﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍

最後まで読んで頂きありがとうございます!!

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次の更新は火曜日または水曜日を予定しています。






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