お面の少女

リアン

お面の少女

夏祭りの夜、私は浴衣に着替えて辺りをふらついていた。行き交う人々はみな楽しそうにしている。


歩き疲れて道の外れに座っていると森の入り口ら辺に女の子が立っているのが見えた。女の子は狐のお面を被っていてどことなく不思議な雰囲気を漂わせていた。


「ねぇ、お姉ちゃんは、お祭り、好き?」


少女が近づいてきて横に座った後、そんなことを聞いてきた。


「うん、好きだよ。キラキラしてて、みんなが楽しそうに笑ってる」


「私も、好き。お姉ちゃん、ずっと、お祭りに、いたい?」


少女がそんな事を言ってきた。


「ん〜…………ずっとは嫌かな。賑やかな神社も好きだけど、いつもの静かで厳かな神社も好きなんだ」


………………そっか、残念


横を向くとお面の少女はいなかった。


◇ ◇ ◇


次の日、神社に行くと昨日会った少女が付けていたお面が神社に祀られていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

お面の少女 リアン @556514

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る