私を見ると彼は、急に痙攣し出すのは何故ですか?
神石水亞宮類
第1話 私を見ると彼は、急に痙攣し出すのは何故ですか?
私の彼は私がやたらと怖いのか?
ここ最近は、私を見るだけで彼は痙攣を起こすようになった。
それほど彼にとって私は“怖い存在”に変わってしまったのか?
私自身も悩みになるほど、彼を私が追いつめているのかという罪悪感!
だから私は彼の事が好きだけど、彼に別れ話を切り出したの。
『“ねえ、もう別れようか。”』
『えぇ!?』
『“今だって、私と会って痙攣起こしてるじゃん!”』
『・・・そ、そんな事ないよ、』
『声も震えてるし、その前に病院に行って診てもらったら?』
『大丈夫だよ、俺の事は気にしないで!』
『気にするでしょ、私のせいじゃん!』
『俺は別に、キミのせいだとは思ってないよ。』
『体は正直に反応してるけどね。』
『・・・な、なんで、別れるなんて言うの?』
『私見て痙攣されたら、普通! そう言うでしょ!』
『俺さ、ずっとキミの事が好きだったんだよ、やっとキミと
付き合えたのに、だから絶対に別れたりしないんだ!』
『私だって、ずっと好きに決まってるじゃん!』
『・・・ご、ごめん、俺が言い過ぎたよ。』
『私こそごめん、大きな声出したりなんかして......。』
『“あのさ、二人で別れないで済む方法を考えないか?”』
『私もそうしたいよ、でもさ、やっぱり、』
『大丈夫! 俺もちゃんと病院で診てもらうから。』
『・・・ううん、』
『二人で乗り越えていこっ。』
『うん。』
・・・彼は私よりも大人なのか?
“二人で別れないで済む方法を考えないか”と私に言ってくれた。
私は正直、“彼が私に拒否反応や何か合わないモノを感じて体が痙攣
しているものだと思い込んでいた!”
ただただ彼が私を嫌いで別れたんだと。
でも? ちゃんと彼と話してみて分かったのは?
彼は私の事を今でも好きで、別れたくないと言ってくれた事だった。
だったら? 私も彼と別れる理由がない!
二人で乗り越えていけるなら、それに越したことはないのだから。
私は彼に付き添って一緒に病院に行って彼が何故、痙攣を起こすのかを
診てもらう事にした。
『先生、彼の体はどうなってしまったんですか?』
『“神経系の問題かと思いますが、詳しい事はちゃんと調べてみないと
まだはっきりした事は分からないですね。”』
『・・・そ、そうですか。』
『“治るんですか?”』
『神経系なら治療すれば治るかと......。』
『そうですか! 良かった!』
『“彼女さんの力も借りないといけませんね。”』
『はい!』
『二人で治していきます!』
『そうですね。』
『うん。』
病院で詳しく病気の原因を調べてもらうと、、、?
脳の血管が少し詰まっており、ちょっとした手術をすれば治ると言われる。
彼はその後、手術を受けて日に日に回復していった。
私は彼のサポートをする為にいつも彼に寄り添い彼のできない事を
手伝う事にした、彼の手伝いを出来る事を私は幸せに感じていた。
*
・・・彼が手術を受けて半年。
彼は私と一緒に居ても、痙攣を起こす事が一切なくなった。
二人で乗り越えられて私も彼も嬉しいと思えた。
今では私は、彼の傍に出来るだけ居るようにしている。
彼も私が隣に居る事を喜んでくれているし、今が一番私は幸せです。
私を見ると彼は、急に痙攣し出すのは何故ですか? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
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