第4話 旅立
ヴェイフ「俺の目的はな。神と悪魔の戦争を終わらせる事だ。そうすれば 飢饉や不安定な世の中も全て解決する筈だ。」
ゴッデス「何それ。」
ヴェイフ「無理な事は分かっている。だが出来るだけ手を打つ。例えば 神は皆信仰され 神となっている。だがその神が悪魔と戦争を始めて 人間達に目を向けなくなったらどう思う?神は私達を見放した。と思うのが大半だろう。そこへ救いの手を差し伸べて信仰対象を神から俺に置き換えたらだ。神は神の意味を成さない。だが悪魔はどうだ。悪魔は変わらない。ならば悪魔は殺すしか無い。そして悪魔と神は抗争の真っ最中。ならば神も悪魔も均し 俺達が神に等しく成り代われば良い。」
ゴッデス「...馬鹿じゃないの。そんな上手く行くわけ無いでしょ?」
ヴェイフ「馬鹿で結構。だが俺はこれを止める気は無い。人間はいつだって不可能を可能にして来た。そうだろう?これはその延長線上に過ぎない。」
ゴッデス「面白い冗談ね。...まぁ 少しなら付き合ってあげる。」
ヴェイフ「ほう。」
ゴッデス「アンタ 他に仲間を集める気なんでしょ?なら それを使って手を貸してあげても良い。」
ヴェイフ「何故?」
ゴッデス「気まぐれよ。」
二人は目線を交わし そして どちらともなく口角を上げた。
ゴッデス「私は部屋に戻る。詳しい話は明日聞かせてもらう。」
ヴェイフ「承知した。」
ゴッデスは振り返らず そのまま歩を進める。その背中を見送りながら ヴェイフは誰に言うでもなく一人呟くのだった。
ヴェイフ「革命を...始めよう。」
___翌日。
ヴェイフ「さて ゴッデス。昨日の話をしよう。」
ゴッデス「そうね。それで 仲間はどう集める気?」
ヴェイフ「各地を回ればいずれ同志は集まる。」
ゴッデス「どうやって回るのよ。」
ヴェイフ「俺が両腕を翼に変える。」
ゴッデス「アンタにしがみつけって事?嫌よ。」
ヴェイフ「行く当ては決まっている。それまでの辛抱だ。」
ゴッデス「はぁ...まぁいいわ。いつ出発するの?」
ヴェイフ「昼頃には。」ゴッデス「はいはい。アンタも準備しなさいよ。」
ヴェイフ「ああ。」
____その日の昼頃。二人は街から離れた崖に立っていた。
ゴッデス「ねぇ...本当に飛ぶの?流石に怖いんだけど...」
ヴェイフ「安心しろ。掴まっていれば落ちることはない。」
ゴッデス「そう言う意味じゃなくてね..!」
と言いながらもゴッデスはヴェイフの背中に掴まる。そしてヴェイフは両腕を翼に変え 崖から飛び立った。
ヴェイフ「飛ぶぞ!」
ゴッデス「いやぁぁぁぁぁ!」
ヴェイフ ヤトミ @Yatomi369396
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