第3話 裁断



待つ事30分。ヴェイフは門の中へ入る事が出来た。王国は栄えており 民も笑い合い幸せに暮らしている様に見えるが やはり神と悪魔の戦争の影響で作物が取れない事から 貧しい暮らしを送っている者もいる。取り敢えず民に話しかける事にした。


ヴェイフ「そこの民よ。この辺りに宿はあるか?」

民「はい!この道を真っ直ぐ行って 大きい建物が見えてきます。それが宿です。」

ヴェイフ「すまないな。感謝するぞ」


民は軽く会釈をすると去っていった。彼は言われた通りに真っ直ぐ歩くと宿らしき建物が見えたので中に入ってみると受付の人がいた。


ヴェイフ「すまない。宿泊をしたいのだが。」

受付「いらっしゃいませ!何泊ですか?」

ヴェイフ「二泊頼む」

受付「かしこまりました!少々お待ち下さい。」


受付は紙にサインを書くと 彼に差し出した。


ヴェイフ「この紙は何だ?」

受付「宿泊代です!」

ヴェイフ「なるほどな。分かった。これで良いのだな?」


受付はそれを見ると頷いたので彼は部屋に行く事にした。部屋に向かう途中。異様な雰囲気を纏った少女とすれ違った。


ヴェイフ「...」


何かを感じた。それは何かは分からないが。


受付「こちらです。」

ヴェイフ「ああ。」


受付から鍵を受け取り部屋に入ると彼は荷物を下ろして一息ついた。しかし あの少女の事が気になったヴェイフは部屋から出ると 先程の少女を探したが既に居なかった。どうしても気になる。だが仕方無い。部屋に戻りベッドに横になり寝ようとしたその時。部屋の窓がノックされた。


ヴェイフ「誰だ?」


ヴェイフがドアを開けると 何故かその少女がいた。


?「アンタ誰?」

ヴェイフ「...ヴェイフ。何故俺に話しかけた。」

?「すれ違った時にアンタの雰囲気が気持ち悪かったから。だから話しかけた。それだけ。」

ヴェイフ「そうか。奇遇だな。俺もお前の雰囲気を異様だと思った。名は?」


ゴッデス「ゴッデス。じゃあね。」


そう告げるとゴッデスは去っていった。


ヴェイフ「不思議な女だ。」


ヴェイフも部屋へと戻っていった。そしてベッドに寝転がり目を閉じる。そのままゆっくり眠りに落ちた。


_____夜。外の騒がしさに目を覚ます。時計を見るともう日付けが変わっていた。何が起きているのか確認すると どうやら悪魔の様な生物が街を闊歩しているようだ。急いで部屋を出る。するとゴッデスが駆け足で現場に向かって行った。


ヴェイフ「...行くか。」


駆け足でゴッデスの後を追う。やがて現場に着くと 其処は既に惨事が広がっていた。辺りは紅く染まり 血肉が散乱している。そこへゴッデスは巨大な鋏を構えて突っ込んでいった。


ゴッデス「っ!」


ゴッデスの鋏と敵の爪がぶつかり火花が散る。


ヴェイフ「俺も行くか。」


彼は生身のまま突進した。


ゴッデス「アンタ何しに来たのよ!」

ヴェイフ「関係無い。」


そして彼は手を刃物に変え 切りかかる。


ヴェイフ「掛かったな..!」


悪魔の爪とヴェイフの刃物がぶつかりあった時。彼は舌をカメレオンのように伸ばしゴッデスへ飛ばす。


ヴェイフ「ゴッデス!」

ゴッデス「これで終わり!」


ゴッデスは飛んでくる悪魔を巨大な鋏で切り裂いた。


ゴッデス「はぁ...何で来たのアンタ。」

ヴェイフ「悪魔が襲来したとなれば殺すのが普通だろう。」

ゴッデス「...まぁアンタが戦えるって事は分かったわ。取り敢えず話がしたい。一旦退くわよ。」


ゴッデスと共に宿屋に戻るヴェイフ。二人は部屋に入り 話始める。


ゴッデス「アンタさ。此処に来た本当の目的 隠してるでしょ。」

ヴェイフ「何?」

ゴッデス「バレバレよ。早く話して。」

ヴェイフ「...分かった。」


彼は仕方なく話し始める。

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