第45話:体重差が開いた兄弟
「ミィ~ッ、ミィ~ッ(出して~、ここ開けて~)」
「ンミャッ! ミャッ!(ルスト、出る!)」
と言っているとか、いないとか。
ケージの扉を開けると、いつも飛び出して駆け回る2匹。
白茶コンビ、ジョイとルストは、日課のように今日も室内運動会を開催している。
「ンーニャ、ンーニャ(坊やたち、戻ってらっしゃい)」
リンネが呼んでも、聞いちゃいない。
もう生後1ヶ月半近く、仔猫は母猫と離れて遊ぶ時間が長くなる時期。
ケージも窮屈そうだし、そろそろ分けてあげようかな?
「母猫が人馴れしていない狂暴猫なら、仔猫を早めに隔離した方がいいですよ」
そんなアドバイスも受けているし、ぼちぼち親離れさせとこう。
ちょうどそう思ったタイミングで、御近所のAさんから預かりボランティアをしたいとの申し出があった。
「5匹預かってもらえますか?」
「いいよ」
Aさん、快諾。
しかし、問題がひとつ。
どうやって仔猫を連れ出す?
猛猫の子供たちは自分でケージから出てくれなきゃ触れない。
そもそも預けるにも、ケージから出てきてくれなきゃ連れ出せない。
ケージの中にいる仔猫を掴み出すなんて、命知らずなことはしたくない。
猛猫は仔猫どころかトイレを掴み出しても大激怒だ。
さて、どうしよう?
って考えつつ、トイレ容器を取り出すために扉をあけたら。
まるで察して協力するかのように、全員ケージから飛び出してきた!
なんていい子たちなんだ。
ケージから出た解放感でテンション上がって爆走してるけど(笑)
そうだ、せっかくだから体重を量ろう。
そう思って体重測定用に買ったキッチンスケールを保護部屋に持ち込み、量ってみた。
チョロQみたいに走り回るチビッコをワシ掴みして、キッチンスケールに乗せたプラ容器にIN!
「あれ? ジョイ一番大きいかと思ったら、一番チビ?」
兄弟の中でも一番ガツガツ食べる、ひとのモノはオレのモノ・オレのモノもオレのモノっていうジャイアニズムの塊みたいなジョイが、まさかの兄弟最小だ。
一番大きいのはルストで、ジョイとの体重差は165g。
「兄弟の中で一番たくさん食べるのに。どこ行っちゃったのかな? 君のカロリー」
たくさん食べるのに太らない仔猫といえば、内部寄生虫を疑うところだけど。
リンネの子たちは外に出たことがなく、母猫は検便で虫卵は見つかっていない。
「まっいっか。元気だし」
とりあえず全員プロフェンダー(内部寄生虫総合駆除薬)をつけとこう。
100gや200g違っても気にしない。
去年我が家で生まれ育って東京へ行った白猫ブラザーズも、体重差がけっこうあったからね。
※ジョイ&ルスト画像
https://kakuyomu.jp/users/BIRD2023/news/16818093087725073094
【母仔猫画像あり】猛猫リンネの物語 BIRD @BIRD2023
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