981
――数日後――
しっかりと休息をとってベストコンディションを取り戻した後、君は再びスターアローに乗って空の旅を始めた。
後ろでは街並みが急速に小さくなっていく。
下では君達を見上げ、目を丸くしている通行人が街道に見えた。
これまで何度も繰り返してきた光景だ。
これからも何度も繰り返すのだろう。
遠くには大きな岩山と、その周囲を埋め尽くす樹海が見える。
あそこでも様々な事があった。危険も実りも、それ以外の色々も。
これも何度も繰り返してきた事だし、これからも何度も繰り返すのだろう。
「で、次はどうするんだ? もう決まっているのか?」
スターアローのその問いに、君はまだ未定だと答える。
休息の間にいろいろと情報を得てはみたが、次に君が挑むべき冒険は決まらなかった。
まぁいいではないか。
危険や苦難とは無縁な旅を、しばらく純粋に楽しむのもいいだろう。
定住や職を断り、それらを金銭として支払ってもらった報酬‥‥それはまだまだ残っている。初めて見る地を巡っているうちに、きっとまた、君達が全力をぶつけたくなる目標が見つかる筈だ。
それを何度も繰り返してきたのだし‥‥きっと何度も繰り返すのだから。
空の上から見てもなお、大地も道もその向こうの山並みも、どこまでも果てしなく広がっていた。
【fin】
遥かなる樹海 松友健 @matutomoken
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。遥かなる樹海の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます