春の5題小説マラソン

武藤勇城

お題1 春一番と言えば

 子供の頃は、暑い夏も寒い冬も、野山を駆け回って遊んだものです。


 冬に雪が積もれば、雪玉を投げ合ったり、雪だるまを作ったり、ソリで坂を転がったり。飼い猫、飼い犬と一緒になって、大騒ぎしました。夏の暑い日は、近くの川やプールで泳いだり、昆虫取りに行ったり、花火を楽しんだり。虫刺されだらけ、泥だらけになって、転げ回ったものです。自分はどちらかと言うと夏の方が好きでした。

 しかし高校生にもなると、外を駆け回る遊びはしなくなり、だいぶ落ち着いた生活をするようになりました。この頃になると、夏や冬より、春が好きになりました。


 季節の変わり目に吹く、春一番。まだ寒い冬の日に、少し暖かい南風が吹き、春の訪れを告げます。しかし、まだまだ春一番が吹いた程度では、そこまで気温は上がりません。二月から三月にかけてのこの時期は、三寒四温、寒い日と暖かい日が数日ずつ交互にやって来ます。体調を崩しやすく、健康管理に気を付けなければいけません。少し暖かくなったかなと思っても、掛け布団をしっかり掛けて、汗をかくぐらい暖かくして寝るのが大事です。そんな事も知らなかった高校生の頃は、よく風邪をひいて寝込んだものです。

 高校生から二十歳頃までは、春一番が吹いて段々暖かく、過ごしやすくなるこの時期が一番好きでした。ひと雨降るたびに徐々に暖かさが増していきます。コタツやストーブが不要になり、昼は半袖でも平気ですが、そこまで暑いわけでもなく、少し運動した程度で汗だくにもなりません。気候としては、一番過ごしやすいでしょう。


 問題が起きたのは、二十歳過ぎだったと思います。花粉症。いつから花粉症になったのか、というのは明確には覚えていません。二十歳過ぎて、自分が花粉症になっているのに気付きました。春一番が吹くと、目や鼻がムズムズし始めます。三月四月の、風の強い日などは、外に出るのも嫌です。ただ、よほど花粉が多い年以外は、なるべく薬には頼らないようにしています。基礎免疫が低下しますので。ヨーグルトや甜茶といった、免疫アップ・花粉症に有効な成分を含む食品で、花粉症の季節になる前から対策を講じるようにしています。

 寒い冬。花粉症の春。蒸し暑い夏。これらの季節は、今はあまり好きではありません。今の自分にとって、一番過ごしやすくて、暮らしやすいなと感じるのは、秋ですね。食べ物も美味しいし、気候的にも一番良いでしょう。


 皆さんは、いかがですか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る