生きるための道しるべ

「ごめんなさい。なんか疲れちゃって…。こんな事になるくらいなら、私はしずくに会わないほうが良かったんだって思ったら…」


「パァン」

メジャーリーガーのスマッシュヒットくらい「真っ直ぐ乾いた音」を響かせて、平手打ちを私は頬にお見舞された。


「だから私と出会えたんじゃない!」

そう言って抱き寄せてくれた彼女の温もりを、私は一生忘れることはないだろう。


生きてきて経験したこと全てが繋がって今があるんだ。良いことも悪いことも。過去に自分に起きたこと、出会ってきた人たち、没頭したこと、勉強したこと。嬉しかったことや許せなかったこと。それらを一つでも「全否定という最小エネルギー」で終わらせ、導線を途切れさせてしまったら、現在の自分や未来の自分すらも否定しながら生きることになってしまう。


何を学んで来たんだ私は。この半年間で。起きたこと、経験したことに無駄なことなんてない。絶対に未来の自分を助けてくれる「道しるべ」になる。


人への希望も、働いていた環境も、今は何もなくなったかもしれない。でも私の中に今までいたのは人に作られた私だったんだ。その「跡地」にこれから作り上げる「柏木小音」は、私自身が築き上げる。そのための術と土台を、しずくと望先生が仕上げてくれたんだよね。


今日こそ大人になった私のスタートライン。

何でも出来る気がする。

それだけでも幸せだって。


「絶対音幹」という矢野しずくが生きた証は私の中にずっとあり続ける。

あなたに出会えて私はとっても幸せ者。

ありがとう。大好きだよ。    


絶対音幹  完

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絶対音幹 「もにもに」 @monimoni4820

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