アカネは狐の窓を叩く
土屋
第1話
祖父から家業の祓い屋を継ぐ予定が、ついうっかりケーキ屋になってしまった。わたしはアカネ、年齢体重非公開。
「アカネ、かわいい孫や、どうかこのおいぼれの一生の願いを叶えてはやってくれんか」
しょぼしょぼ、くしゃくしゃ、指をこねこね祖父はいう。
「じいちゃん、そんなこと言ったって祓い屋は継がないよ。っていうか、アオニに継がせればいいじゃん」
「アカネはケーキ屋といいつつ訪れる客がいい感じにこの世のもんではないからじいちゃんは助かる」
そう、成り行きではあるがこのケーキ屋「茜」、妖たちの間で茜に頼めば悩みを解決してくれると評判になってしまったのだ。ケーキを食いにこい、ケーキを。
祓い屋の家系のケーキ屋が人外御用達の相談役に。これは、甘くほろ苦いあやかしと人の集うケーキ屋の話。
アカネは狐の窓を叩く 土屋 @2chiya
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