第五話 掃除にやる気になるのは大体試験前だけ

読者の皆様、五月中に雪ヶ丘晴奈編が終わると言ったのにできなかったこと、本当にすいませんでした!!これからまた少しずつ更新頑張ります!!

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【雪ヶ丘視点】


友達の翔太を気絶させ、自分の挨拶にも無視した田中さんに何故声をかけたのか。

何故田中さんに貴方の家を掃除しましょうか、なんて言ってしまったのか。


自分でもよくわからない。けど、


私の田中さんへの様々な感情も田中さんのあまりの臭さで一つにまとまってしまったのは事実だ。


たった一つの感情、それは……

(田中さんを良い匂いがするようにしたい!)

というものだ。


私は人と喋るのがそこまで得意ではないけど、何故か昔から人に対して世話をやきたがる女だった。


翔太と玲香に初めてあったときも、翔太の家が汚くて綺麗好きの私には我慢できず翔太に許可をとって徹底的に掃除した。


最初はいきなり人の家を掃除しだす私に驚いてた翔太も「おぉ!!めっちゃ綺麗になってる!」と喜んでたし、有名ケーキ店のケーキまでくれた。

何故かその日の玲香はとても機嫌が悪かったが。


とにかく、私はそういう奴だ。


だから、田中さんがめっちゃ臭いと分かったときにこの人を良い匂いにしたいと思ってしまったのだ。


だけど、いきなり本人に貴方を良い匂いがする人にします!なんて言ったら普通にやばい奴認定されそうなので


まずは家を掃除しましょうか?と聞いた。これならまだやばい奴、とは思われないだろう。


まあ、いきなり他人に貴方の家を掃除しましょうか?なんて言われてもはいいいですよとは言えないわけで、


案の定田中さんは怪訝そうな表情を浮かべながら


田中「掃除してくれるならありがたいが…何故いきなりそんなことを?そもそも俺が臭いことと掃除することは関係あるのか?」


と言ってきた。


「勿論。家が汚い人は大体臭いですからね。」


田中「偏見にも程があるだろ…。それに君みたいな若い子を俺みたいなおっさんの家に入らせるのもなぁ……」


「いや、私は気にしないので安心してください。」


田中「でもなぁ…近所の人の目とかもあるし。」


「私は人の目なんか気にしませんよ(本当ら結構するけど)」


田中「俺が気にするだよなぁ…」


田中さんが中々決断しないので流石に少し疲れてきた。田中さんには悪いが強引にいくしかない。


「田中さんの家ってこっち方向ですよね?」


田中「そうだけど…」


「じゃあいきましょうか」


そう言って私は田中さんの家の方に歩き出す。


田中「ちょっと⁉︎俺まだなんの決断もしてないよ⁉︎」


田中さんは驚いて止めてきたが、


「田中さんがさっさと決断しないのが悪いんですよ。ほら、行きますよ」


と私は気にせず歩いた。


田中「はぁ…。仕方ないか…」


田中さんも渋々と言った感じでついてきた。


「田中さんは掃除したことありますか?」


と私は世間話を始める。


田中「……あるのはあるけど」


「へぇ……、じゃあ最後に掃除したのはいつですか?」


田中「今の家に来てから一週間経った頃かな。」


「……田中さんっていつ来ましたっけ」


田中「二ヶ月前だね………」


「…………」


田中「…………」


あまりの酷さに2人とも無言になってしまう。


田中「えっと、俺って掃除しよう!と思うのって学生時代ののテスト前のときぐらいで、新居にきて一週間後にした掃除もただの気まぐれだし……」


田中さんはこう言っているが、まさかここまでとは思わなかった。


二ヶ月前の一週間後ということは実質二ヶ月も家を掃除してないと言うこと。


多分、相当汚いだろう。


「田中さん、徹夜を覚悟してくださいね。」


田中「嘘だろ⁉︎折角の休みなのに⁉︎」


田中さんはこう喚いているが私は無視した。


もしかすると私はちょっとしたおせっかいでとんでもない沼に片足を突っ込んでしまったのかもしれない……。

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