キンドル本出版顛末記
ひぐらし なく
第1話 取りあえず出版してみた
キンドル本って知っていますよね。ミーハーな性格の持ち主である私は、面白そうなものにはすぐ飛びつくという習性があります。
で、調べてみたら、ふんふん、なかなかよさそう。
そりゃあ、YouTubeの提灯記事みたいに印税が百万円なんて信じないけど、とりあえず読まれたらお金が入る、という仕組みには惹かれました。
そこで、手持ちの原稿にチャチャと手を加えて出版してみました。
当然のように、無名の新人作家(笑)が、売れるわけも読まれるわけもありません。
その状況は私だけではないらしく、そんな人たちのために、キンドルにはあの手この手のキャンペーンの手段が設定されています。
その中の、無料で販売、というのを使ってみると、あら不思議、一日に50冊100冊と売れます。
まあ、売れても無料だから一銭にもならないのですが、ちょっとだけは名前が知られるみたいです。
半月もたつと、売れはしないけど、毎日のように読んでくれる人は出てきます。
そうなると楽しくて、次の本も出してみようかなと思うようになります。
でも、小説はやっぱりあまり読まれないみたいで、売れ筋は漫画と写真集。
写真集か、無理だな、と思っていたらAIイラストという強い味方があることに気が付きました。
などと言ってもこれも素人、ネットであっちこっち調べまくり、とりあえず一冊作り上げました。
それほどエロい物でもなかったのですが、こっちはすぐに読まれ、嘘です、見られ始めました。
AIイラストを始めたら、一生懸命文章書くのがあほらしくなりました。
なんせ一日に三冊発売なんてのが簡単にできてしまうのですから。
しかも見られるだけでなく、ちゃんと買ってもらえるのです。
可愛い女の子の水着、パンチラそれだけで読者が付きます。
そうなると人間欲が出てきて本の内容が変化していきます。
もっと読まれるように、もっと買ってもらえるようにと、より読者の目を引く方向へと進むことになります。
ただ、極端にエロい物を出すと、その本の発売が停止されるだけではなくキンドルの世界から追放になるという情報もあありました。
その辺のことはYouTubeやnoteにもいろいろ書かれているので、注意をしていました。
エロいけれど検閲にはかからない、そこらあたりの綱渡りに腐心するようになります。
その結果、月に万単位の収入とちょっとした数のフォロワーも獲得できました。
アカウント停止になった人の記事は常にチェックです。そして、バカだなあ、もっとうまくやればいいのに、そんなことを思っていたのです。
写真集や小説の出版点数は半年で四百ほどにまでなりました。
国内だけでなく、国外からもわずかですが収入が得られるようになってきました。
すっかり有頂天、でも、話はそれだけでは済まなかったのです。
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