電車

筆ペン

お腹のニク

前を歩く4、50代の女性だろうか?

スリットの入ったスカートから脚が出ている。

ドキッとしたが、いつもと違うドキリ具合だ、痣だらけなのだ。

赤みや発疹なのかもしれないが、流石に細かく凝視出来ない。

まだ、家のローンがのこっているからだ。

非ぬ疑いをかけられてはいけない。


ふと、自分の若かりし頃を思い出す。

学生の頃のあざはスポーツをして、自転車で転んで、机にぶつけて、すぐ身近にある怪我だった。

大人になってからは、走らず、危ない所には近づかず、スポーツはしない。ガリガリで腹筋が、浮いていたが、今ではこのザマだ。

柔らかいクッション。なかなかとれない。


だから、他の大人もそうなんじゃないかなと思い、「子育て、ボディメイカ」は除く。

大人であざがあると、心配してしまう。


初老のやせ細り白い足なら尚更だ。


と歩きスマホをしていたら、電信柱にスネをブツケた。


どうやらわたしにもあざが出来たようだ。


かがんで右足を確認しようとすると、

お腹のニクが存在感を出して、これ以上曲げさせてくれない。

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電車 筆ペン @satoshi5476

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