タトゥード・ブレイン
リュウ
第1話 タトゥード・ブレイン
”タツゥードブレイン”
それは、白い柔らかなで水ミスしい肌に刻まれた刺青のように、脳に刻まれた感覚と記憶。
外界からの刺激が脳に刻まれて行く。
多分、体を維持すれ為に必要なモノを生命の神秘みたいなところで判断され、格付けされ記憶される。
「あーんして」
言葉に反応して口を開ける。
指で摘ままれた焦げ茶のカケラが口の中に入れられる。
舌にある”ミライ”が感知しする。
口内の匂いが鼻腔に流れ、嗅粘膜を刺激する。
これが欲してよいと何処かで判定される。
眼は大きく見開かれ瞳孔が広がる。
唾液腺から唾液が放出され、咀嚼の感覚が脳へと送られる。
そして、飲み込み胃へと送られる。
この初めての刺激が脳へと刻まれたのち、この焦げ茶のカケラを知りたいと欲求が起こる。
再度、欲するために。
「あ、びっくりしている……これはチョコレートだよ」
”チョコレート”脳は、名前を焦げ茶のカケラの情報に名まえを紐づけた。
「チョコ、チョコ、チョコ……」
焦げ茶のカケラを要求する。
「もう、覚えたんだぁ」と言って、焦げ茶のカケラを口に入れられた。
そして、焦げ茶のカケラの情報が電撃の様に脳に刻まれた。
脳に刻まれると言うことは、シナプスが造られるということ。
この情報は、優順に従いシナプスの太さが決まる。直ぐに思い出すようにと。
シナプスの太さは、体が欲しているかによるのだろう。
他の記憶も同じ様に脳に刻まれる。
一種の傷のようなもの。
小さな小さな傷でも、ある瞬間に思い出してしまう。
フラッシュバック。
私の愛の記憶をあなたの脳に刻みこむ。
何気なく目にしたモノや耳にした音楽や物音。
何気なく口にした食べ物や飲み物。
何気なく口にした会話や単語。
その小さなきっかけで、フラッシュバックを呼び出させ、私を思い出だすように。
私と言う存在をずーっとあなたの脳に刻み込むの。
その瞬間、私はあなたを支配する。
記憶であなたを拘束するの。
あなたは、わたしと別れて他の誰かと暮らすようになったとしても。
家族に恵まれ、幸せと感じる日々をおくっていたとしても。
ある瞬間にわたしを思い出す。
絶対に。
わたしとの記憶は、脳の奥にまで染みつき刻み込まれるの。
あなたが、わたしと別れるって言った時、最後の強烈な刺激をプレゼントするの。
わたし、あなたのこと……
あ・い・し・て・る・わ。
タトゥード・ブレイン リュウ @ryu_labo
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