第22話 アネットさん、4年後にはあんな姿になるっすか……?
いっぽう、その頃----。
ハーツ王が狙おうとしている件の令嬢、アネット・ツーデンスはというと----
----海賊たちに捕まっていた。
適度に日焼けした、屈強そうな大男の船員たちが、甲板上を大声と共に忙しなく動いていた。
ある船員はドクロが描かれた大きな帆を大きく張り、また別の船員たちは武装用の大砲を甲板上に並べていく。
風魔法を使える船員達が帆に風を送り始め、出航の準備を進めていく。
「さぁさぁ、皆さん! 頑張るお時間ですますよ! 私達が目指すは『堕落魔デザイアが生み出した財宝が眠りし地』、その財宝を奪い、私達の資金にしちゃいますですよっ!」
「「「おぉぉぉぉ、
大男に囲まれ、
一回り大きなフードを羽織り、湾曲した刃を持つ
「ガーハハハッ、ハハハ……ごほっ?! いっ、息が!? 喉に、喉に入っぶへへごほっ……」
「「「だっ、大丈夫ですか! 船長ぉ~!!」」」
愛らしい少女がむせるように咳をすると、周りに居た船員たちが心配そうに駆け寄っていた。
屈強な大男たちが我先にと迫り、咳をしていた少女が慌てて止める指示を出す。
「まっ、待て、お前ら! そんなに心配しなくても、大丈夫ですます! 私はそこまで弱くはないですますよ!」
船員達を制止した桃色髪少女は、立ち上がると、「ごほんっ」と仕切り直すように咳払いをする。
そして
「----さぁさぁ、密航者さん!」
「アネットだ。よ?」
「えっ?! そっ、それは失礼しましたですます!? では改めまして、アネットさん!」
ギュギュっと、眉間に一生懸命しわを寄せたその少女は、
「私の名前は【ニーサ・テトラ】、14歳! 密航者のアネットさん、あなたには今からこのニーサ海賊団の航海に付き合ってもらいますですよ!」
----服越しでも分かるくらい、大きな胸を揺らしながら、そう声高く宣言していた。
『14歳……』
そんな中、こっそりと隠れてる滅炎竜ブレイズは、大きく揺らすニーサの胸と、高らかに大声をあげるニーサの姿を見て。
『人間の成長は速いと言うが、4年後にはあんな感じになるのか? アネットさん……』
4年後に高らかに笑い、海賊船を率いているかもしれないアネットの姿を想像し、身震いするのであった。
☆作者から☆
このお話は、第6回ドラゴンノベルス小説コンテストの中編部門にて応募させていただいている作品です。中編部門の応募規約は、テーマに沿った、2万文字以上6万文字以下のお話ですので、この辺りで一旦完結とさせていただきます。
次回の構想は練っておりますが、第1章『滅炎竜ブレイズ編』はこのお話で一旦完結設定となり、第2章以降は今の所作る予定はありません。
もし少しでも面白かったら、応援していただけますと幸いです。
アネットちゃんとてのりドラゴン~ハズレ魔法【サンダー魔法】は、全てを縮小させるチート魔法なようです~ 帝国城摂政 @Teikoku_Jou
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