最終話 ここから本当の異世界ライフが始まるのです♪

「よし、これで明日から、またゴロゴロできるな!」


 悪役令嬢のルビア……いや、スライムに変形したルビアは今までの最高レベルで目を輝かせていた。


「ええ、存分にだらけてくださいませ。私がどこまでも甘やかしますよ」


「やった♪」


 このスライム悪役令嬢、もはやだらける事しか考えていない。


「でも、裏では頑張るんだよな?」


「いや? もう一生スライムになったまま生きますけど?」


「おい!?」


 やはりこの悪役令嬢、やる気が無かった。

 覚醒したと思ったのは気のせいだったのだろうか。

 彼女の気まぐれは永遠に治らないようだ。


「本当に、変な世界に召喚されちまったな」


 それでも、俺の気分は晴れやかだった。

 自分は主人公じゃない。

 ハズレのクソ勇者だった。

 そんな俺だが、この世界を楽しんでいこう。

 たとえ世界が俺を否定しても、今度こそは笑って生き延びるのだ。


 これからも、このわけの分からない毎日を俺は生きていく。

 もしかしたら、まだ破滅フラグは回避できていないかもしれない。

 メイズ以上の強敵が現れるかもしれない。


「ま、勇者さんもたまには肩の力を抜きなよ。スライムもいいもんだよ」


「そうだな…………スライム?」


 それでも、このやる気の無い悪役令嬢と協力すれば、どんなことでも立ち向かえる気がする。

 やっていけるさ。前世のような結末にはならない。

 ざまぁされる勇者だからって、舐めるなよ。


「さて、それじゃ、店に帰ろうぜ。お祝いのパーティだぁ!」


 なぜか最後に締めたのはキラーだった。

 ま、それも俺たちの異世界転生らしさかな?




 終わり♪




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ざまぁされる勇者側に転生してしまった俺、悪役令嬢と手を組んで生き残ります!しかし悪役令嬢はやる気が無い!? でんでんむし @dendenmusi3

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