第6話 幼なじみ

 男の子、やんちゃで可愛いな〜。へばってた桐谷くんを思い出して微笑んでしまう。

「ねぇ綾音。綾音には幼なじみとかいるの?」

「幼なじみかぁ……一人いるよ」

「えっそうなんだ」

 美紀が瞳をキラキラさせた。

「男の子?」

「うん」

 その途端、桐谷くんが盛大にむせた。

「き、桐谷くん大丈夫!?」

「あ、うん……大丈夫」

 けほけほと咳をしている。板垣くんが桐谷くんの背をトントンと叩いている。

「へ〜憧れるなぁ。男の子の幼なじみ。りりあにも綾音にもいるなんて」

 頬を押さえてうっとりしている美紀。私はう〜んと考えて言った。

「そんな良いものじゃないよ。幼なじみではあるけど、最近はほとんど見かけないし……違う高校行ってるから」

 桐谷くんが胸を撫で下ろす仕草をした。咳が落ち着いたってことなんだろう。よかった。

「雨宮くんには幼なじみいるの?」

「二人いたねぇ。両方女の子だよ」

「両手に花じゃん」

「ふふ。小さい頃は仲良しだったよ」

「なーんか、年取ったら疎遠になるものなの?」

 美紀が口を尖らせた。雨宮くんが口を開く。

「でも、加護さんと唯斗は仲良しだよね、今も」

「そうねぇ」

 りりあが微笑む。板垣くんが照れくさそうに頭を掻いた。

「加護が甲斐性あるから」

「あら、板垣くんがよく話しかけてくれるからでしょ」

「仲いいな〜、麗しい」

 雨宮くんが感心したように言った。

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君と僕の甘やかな日常 はる @mahunna

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