(終)

第20話

 

 一週間後、真紘さんの部屋を訪ねた。

「いらっしゃい」

 リビングへ行くと、窓のカーテンが開いていた。

「凄い、月がこんなに近くに見えるなんて」

「今日はウサギもしっかり見えるでしょ、満月を見るとうさちゃん思い出すのよね」

「ウサギだけに?」

「そう、単純だけどね」

 フフって嬉しそうに笑う。


「真紘さん、愛してます」

 二人で並んで月を見上げながら、静かに伝える。

「直訳なの?」

「私、今日初めてあのランジェリー付けてるんです、勝負下着なんですよ? 月が綺麗なんて、まわりくどいこと言いません。愛しています」

 今度は、真紘さんの目を見つめ本気を伝える。

「京香、嬉しい。私を選んでくれてありがとう。私も愛してるわ、二人で幸せになろう」


 これから先、困難なことや辛いこともあるかもしれない。でもそれ以上に、二人でなら嬉しいことや感動することも多いだろう。


 私が自分で選んだ世界は、愛する人と共に。




【了】

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