第2話 サンチン!!呼ッ!!

「今日も〜1日〜頑張った〜!偉いぞ私!」


都内某所、住宅街、日は暮れ夜の帳が下りる中

街頭の明かりと住宅から聞こえるテレビの音を聞きながら、久遠は歩く。


手には仕事用のカバンと妹へのお土産として買った駅地下にあるスイーツ店『デルパ・ミルフィユ』の

茨城特産の栗を使用したモンブランを持っている。


「昼の間に予約しといてよかった〜まさかあんなに並んでるなんて。みんな、考えることは同じか。

そうだよねぇ、仕事終わりに甘いスイーツの香り…耐えがたし…」

はぁ…と溜息が出る。


雨上がりじっとりとした空気と汗ばんだ肌に張り付くシャツが余計気を沈ませるが、


モンブランを渡した時の可愛い妹の顔を想像すると、少し足取りが軽くなる。


「ただいま〜」

自宅に着き、玄関の鍵を開ける。


家には妹が居るし明かりが付いているが、用心の為鍵は常に掛けさせている。


両親は居ない。私が25歳の時に他界した。

雨の日、スリップした2トントラックが横転し、信号待ちしていた私達の乗る車に。

運転席と助手席、前面が潰れる大事故。


幸か不幸か私と妹は助かった。今は、父の姉にサポートしてもらいながら、生活している。


〜閑話休題〜


ダッダッダッダッダ!!!!


「( ゚д゚)ハッ!」

前方3メートル、時速7km!!急速接近!

体長155センチ、体重54キロ!

胸部に弩級艦クラス主砲換装!


「(避け…!!否、左右後、逃げ場なし!!

 受け…!!否、両手は塞がっている上、履いているのはハイヒール!無理!)」


その時、久遠の脳に蘇るのは今は亡き両親の顔…

ではなく、眼帯をつけた顔面傷だらけのスキンヘッドのおっさんであった。


『電車で喧嘩売られるような事あったら、使ってみな。』


「(ああ…ありがとう、独歩先生…)」


足は八の字の形に、やや膝を曲げて力を込める。

脇は締め、腕は垂直に。

モンブランの入った箱と鞄を手放さぬよう拳を握り込む!


「おかえり!おねぇちゃぁぁぁぁん!!」

Σ彡三三(⁠つ⁠≧⁠▽⁠≦⁠)⁠つ  ᕦ⁠(⁠⁠⊙⁠ω⁠⊙⁠`⁠姉)⁠⁠ᕤ


「呼ッ!(あ…これアカンやつや…」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


次回、久遠、死す!デュエルスタンバイ!








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「トラッププリンセスと呼ばないで!?」~この歳で姫様RPはきついよ…( ;∀;)~ @kyomu4242564

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