最後に伝えたいとても大切なこと


 次は作品を考えながら見るためには、どこに注目したらいいのかを独断と偏見で語っていく。


 もし最近視聴を終えた作品があるのならばぜひ問いかけて、考える喜びを体感して欲しい。


・主人公にとって一番怖いことは何か?


恐れていることの原因には、過去が潜んでいる。主人公のトラウマは現在にどんな影響を及ぼしているのか?



・今自分がどの位置で物語を見ているのか?


物語を分別する単位には、小さい方から、カット、シーン、シークエンス(シーンの集まり)、章となっており、それぞれ見ている位置によって考えることが異なってくる。

 例えば、章単位で見ているのならば、主人公の行動に目がつくはずだ。カットならば、セリフや仕草の意味を考えるはずである。

 このように、一旦整理するためにも、どの位置で見ているのかを把握することは大切である。



・このセリフにはどんな意味があるのだろうか?


 セリフを深読みすると色んなことが見えてくる。

このシーンがあったから、このセリフなのか、みたいに。

 先に供述したように、物語に無駄なものは一切ない。故に、どんなセリフにも意味があるし、必ず結びついているシーンや考え方というものがあるものだ。



・このキャラクターの魅力は?


キャラクターを知ることでもっともっと作品を好きになれる。

ちょっとした仕草に注目してみよう。

実は一人一人違いがあったりする。

この記事を読んだ後だとキャラクターは機械的に感じてしまうかもしれないが、彼ら彼女らは一人の人間だ。その人生の一部を切り取ったのが物語であることを忘れてはならない。



◯一番大切なことをあとがきにかえて。


 物語を見る上で一番大切なことは、以下のことである。


・この物語は何を伝えたいの?


 これが一番考えなくてはならないことだ。


 だがこれは少し、いや、かなり難しい。


 作品について相当考える必要がある。


 物語の本質は、何かを伝えることだ。


 どんな作品にも必ずメッセージがある。


 キャラクターの変化として、出来事を通してしっかりと表されているはずだ。


 大きく価値観が変わる時。


 そこを見逃してはならない。


 我々は感情的である。


 だからこそ普遍的な価値観に囚われてはならない。


 先入観はできる限り抑えないといけない。


 これらのことは、視野を狭めるよくないものだからだ。


 ありのままの自分で、物語と向き合って答えを出して欲しい。


 出た答えが紛れも無い正解だ。


 少なくとも9年間、正しい答えを求め続けた我々にとっては造作もないことだろう。


 そして、出した答えを大切に大切に自分の中に持ち続けて欲しい。


 貴方が出した答えは、SNSに溢れている数万イイねの一節なんかよりも、ずっと価値があるものなのだから。



 先に供述した通り、意味を考えることはもちろん大切なことだ。


 だが、実はそれよりもずっとずっと重要なことが存在する。


 それは、『楽しむこと』だ!


 およそ43900年前から今日に至るまで。


 物語が必要とされ続けていたのは、間違いなく物語が面白いからだ!


 いっぱいドキドキして、泣いて、笑って、共感して。


 時には生きる糧になったり、目標にしたり。


 改めて考えてみると本当にすごいことではないだろうか?


 我々にはなんの繋がりも持たない人物に涙を流せるのだから。


 頑張っている人を心から応援できるのだから。


 誰かが掴み取った栄光を、心から祝福できるのだから。


 血の繋がりもない、次元に区切られている人物に我々はこんなにも心を動かされるのだ!


 物語がある時代に生まれてきた我々は、紛れもなく幸福である。


 素直に私は、そう思う。


 この記事が、どれだけの人を納得させられるかわからないけれど。


 誰か一人にでも、意思が伝わったのなら、それは何よりも嬉しいことだ。


 その上で、貴方が人生を変える物語に出会えたのなら尚嬉しい。


 だから最後に。


 この言葉で、締めたいと思う。


 物語が貴方の人生に、少しでもいいものになりますように。

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