とにかく、休め!

隅田 天美

まずは、休め! 

 カクヨムなどを見ていると「自分は鬱です」「発達障害です」と告白する人が結構いて驚く。


 

 私が発達障害が分かったのは約十年前ぐらいになる。


 当時はようやく、メディアに言葉が出てきた頃ので無理解な人も多かった。



 では、そもそも、『発達障害』や『鬱』とは何か?


 それは、すごく端的に書くと「脳のオーバーヒート」である。


 エンジンが過熱されすぎて正常に動かなくなり、それでも、アクセルを踏めば当然エンジンが止まる。


 昨今、マインドフルネスとか流行っているが、それよりも安価で簡単で楽になる方法がある。


『寝ろ』



 実は、先週の金曜日に私は有休をとった。


 元々、私は不眠症の傾向があり、先週に強行軍で雨の東京でお墓参りなどをして働いて土日は運動して、体と心が緊急警報エマージングを出した。


--お前、このまま行くと休職戦線離脱されるぞ!


 具体的には下半身が動かない。


 以前の私なら「いやいや、まだまだ……」と無理やり仕事に行っていたが、その時の仕事の効率パフォーマンスや対人関係は悪くなる。


 そこで職場に電話して、私は思いっきり寝た。


 先週のことだけど、その日に覚えているのは『寝た』『食った』『トイレに行った』だけである。



 昨今はいろいろな人が言うが、人の心の限界は個々で違う。


 自分にとっては半分でも、相手からしたら満タンかもしれない。


 また、自分が思っているより容器が小さい場合もある。


 病院のリワークで学んだことの一つに「休むこと」の重要性だ。



 では、休むとは、何か?


 趣味に走る?(ここだと、小説の執筆だろうか?)


 家事?


 そもそも、休むことは駄目なこと?



 全て違う。


『寝ろ』


 寝ることは体とともに脳の再起動だ。


 正直、現代人の脳は急速な情報化社会に追い付いていない。


 そんな時に、無理に合わせたらどうなるか?


 脳は、確実にオーバーヒートをする。


 また、最近の脳研究で脳は寝ている間に情報を整理して要らない情報を消去する。


 散らかった部屋を片付けて隙間を作ってくれるのだ。(パソコン用語でいうデフラグ)



 では、具体的な話をしていこう。



 まず、どういうタイミングで休日を取ればいいのか?


 仕事の種類やタイミングもあるだろうが、そういうのは無視していい。


 あなたの容量キャパシティーの三十パーセント、最大でも五十パーセントで休むべきだ。


「えっ? そんなんでいいの?」


 いいのである。


 むしろ、軽いケガなら絆創膏程度でどうにかなるが、私のように重症化して白黒思考や不安専攻型思考のようになると、やれ包帯だ、やれ輸血だという状態になる。


 

 次に、何をすればいいの? という話。


「はぁ? そりゃ、休んだから東京ネズミ大国に行ったり執筆を大量にする!」だろうが、どうか、体を労わってほしい。


 SNSは早々に切り上げ、風呂に浸かり、美味いご飯を食べて、早く布団に入って寝る。


 

 少し脱線するが、フェイクニュースもそうだが、SNSやインターネットは物事を多方面から情報を得られると思っている人が多い(特に年配者)。


 でも実際はパソコンは賢すぎて「あなたの欲しい情報はこれですね」と勝手にほしい情報を選別して提供する。


 そうすれば、不安はもっと深くなる。


 良く寝るためには、体を動かす。(町内一周だけでも十分)


 ある作家は「プロで書く場合、体が資本だから大事にする。まあ、毎日書かないといけないけど、日曜日に体に鍼を刺している。そうすると、結構、アイディア出るよ」と残している。


 職業こそ違うがある俳優曰く「台詞を出すとき、『腹から声を出せ』というけど、その腹を支えるのは足だからウォーキング(またはジョギング)をして鍛えている」と生前話していた。


 私も真似して休日に鍼を打ってからジムに行って体をヘロヘロにさせて帰宅して二時間ぐらい寝るが、起きると結構気分爽快で小説が書ける。


 で、ご飯と適度にテレビをして寝る。



 また、鬱も発達障害も真面目過ぎてぶっ倒れ状態なのだ。


 見た目がグロテスクな解放骨折と違い、内部骨折は本人が意思を示さないと誰もわからないし、本人も自覚しないと治らない。



 まったく我慢をしない(ストレスフリー)なことは、ほぼ不可能だ。


 でも、自分の器を知り、どう中身を入れていくかの工夫は幾らもできる。


 私の場合、スポーツジムや病院のリワークに居場所を作った。


 だから、就職が決まったとき、リワーク全員の前で挨拶をするとき、こういった。


「もしも、万が一、職場が『お前、辞めろ』と言っても私には、ここという安全な場所があるから大丈夫です」


 職員さん、号泣。


 鬱や発達障害で苦しんでいる人以外でも普通に社会生活を営んでいる人に言いたい!


『休むこと』『寝る』ことは決して怠けているわけでも、さぼっているわけでもない。

 

 心が、体の悲鳴であり、休んだり寝ることは人として当然の権利なのだ!


 あなたは、何処にも売っていない。


 変な会社は「あなたの代わりはどこにでもいる」というだろう。


 でも、それは能力・技能だけの話だ。


 真面目さや誠実な人は、そうそう売ってない。


 だから、自分を労われ。


 大切にして。


 そして、磨いていけ。



 最後に政府と企業と社会様へ。


 もうちょい、労働者にやさしい社会にしてください。


 




おまけで参考文献を。(読むと、面白いですよ)


男の作法(池波正太郎)


とにかく、休め!(テストストロン)


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