第6話 対ドラゴン

 ジェイに向かって放たれた炎のブレスをウロが魔法の壁で防ぐ。

 パキパキとあまりの威力に魔法の壁が悲鳴をあげる。

「ハイドあいつの尻尾に気をつけろ」

「わかった…」

 ハイドはジェイの忠告を聞きながらドラゴンに剣を向ける。

 ドラゴンは余裕な顔をしながらハイドの鋭い目線を見ながら尻尾の突きを容赦なく放つ。

 魔法の壁はパリンっと割れ尻尾はハイド目掛けて突き進む。

 超高速の尻尾攻撃に焦りを見せずに腕の爆発的な加速と共に尻尾の突きに対して剣で突き返す。

 バチンっとお互いの攻撃が弾かれる。

 ハイドは素早く剣を構えて足に力を入れる

ドンッと爆発音を鳴らしながらドラゴンの懐に潜り込む。

 あまりの速さにドラゴンはハイドを見失う。 

 ハイドは構えられた剣を振り落とし切り下げる。

『傷が浅いかなり硬い鱗だ…』


 ドラゴンはハイドを捕まえようとする。

 それをバックステップで避けもう一度足に力を入れ隙間を縫うようにして懐に入り剣を一気に腹に突き刺す。

『かなり深く突き刺せたが』

 腹に刺さった剣をものともせずにハイドを前足で振り払い吹き飛ばす。

「ガハッ………くそっ痛覚がないのか?」

 建物にぶつかり一瞬立つのが遅れる。

 その遅れを性格無慈悲にドラゴンは炎のブレスを放つ。

 だが炎は、ハイドに当たることはなくウロの魔法壁で防がれる。

「お兄大丈夫か」

「ありがとう!!助かった」

『危なかった…一瞬のミスが命取りだなウロがいなかったら死んでいた』

 ジェイの止血を終えたウロを見ながらそう思う。

 

 ドラゴンは、2度もブレスを防ぎきったウロに対して苛立ちを覚える。

 ハイドに向いていた尻尾はウロに向き突きを放とうとする。

「させねぇぞ」

 ドラゴンの視線がハイドからそれた瞬間に建物を蹴りそのままドラゴンの背後にまわる。

 尻尾が放たれる前に剣で尻尾を地面に突き刺し尻尾の攻撃を防ぐ。

 

「チェーンロック」

 ウロが魔法を放ちドラゴンを鎖で一気に動きを封じる。 

 一瞬の出来事にドラゴンは驚く。ドラゴンはさっきまでの余裕はなく焦りを感じていた。

 ハイドは尻尾から剣を抜き取りドラゴンの首まで走り剣を頭上で構え全ての力を込めて振り下ろす。

 圧倒的な硬さを誇るドラゴンの鱗も破壊しきりそのまま首を落とす。

 ボトッと呆気なくドラゴンの首が落ちる。

 

「何とか勝てた…これで首を落とさなかったらどうなってたか」

 ハイドはドラゴンの体から降りウロとジェイのところへ歩いて向かう。

「大丈夫かジェイ」

「ああ足は失くなっちまったが命は無事だ」


 ハイドはジェイの無事に安心しながらモンスターについて話し合う。

 安心しきったハイド達はこの時気づかなかった本当の嵐はまだ吹いていないことを…

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