序幕 今宵も月は光り輝く②
「お前美しいな。俺の伴侶になれ」
なっ何でこうなる……?!
こうなったのは、俺が城に向かってしまったからか……?
セイリーン城は広い。世界の中でもトップの建築力を持つセイリーンらしい、世界で一番大きい城だ。然し……大きすぎる。ガイドブックを読んだ時にはもっと小さく見えたんだけどな……。こりゃ迷子になっても可笑しくない。しかもとんでもない強さの魔術師をあちこちに配置しているらしいし……。侵入の難しさも世界トップクラスだろうか。さて俺の手持ちは催涙弾と銃とナイフ三本。どうやって警備を殺そうか……。魔術に耐用出来るとは思えんし……。
仕方ない。俺の得意な不意打ち急所刺しで行こう。
魔術師はそこにいる。ローブを羽織って、杖を持っている魔術師らしい魔術師が。
俺は魔術師の方に、足音立てず、近づいた。そして胸と腹を強めに刺した。
「がぁ?!」
魔術師は気付かなかったようだ。
「『愚かなる罪人おっ!!???」
そして喉を銃弾で撃った。
「目立つから騒がないでくれるか。さて」
俺は魔術師をジロジロと見た。
「一匹目処理完了」
ビービービービーと警告音のような音が繰り返し鳴り響く。
「チッ……魔術師を殺したら反応するのか」
魔術師が殺された後、城内は慌ただしくなっていた。
「ウルフが殺されただと?!」
「あの男の防護がこんなにも簡単に崩れ去ってしまうのか?!」
ウルフという先程の魔術師は場内聖守護人と呼ばれ、何十年間もこの城を守ってきた。
「映像に映っている此奴!!、通報された人間か!」
「殺してやる!!」
「ああ、魔術の力を入れる見せてやろう!!」
そう一致団結しているときに1人の男がやってきた。
「おい。神官どもその必要はない」
倍周りが騒ぎ出した。
「第一王子様!?」
「俺が前線にでる」
「何も貴方が前線に立たなくても……」
「いや立つのだ。私は此奴が気になる」
数分後。
歩いていくと、目の前に信じられない人物が立っていた。この国の第一王子が立っているのだ。
「お前名前はなんという」
「…ラシトエル」
「……そうか」
「お前美しいな。俺の伴侶になれ」
「は……?。お前バッカじゃねェの?!」
暗殺者、異国の王子に溺愛される 月読ユウ @tukuyomiyu
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