支配関係をテーマにした作品。「僕」の母親は「玲ママ」に支配されている。そのことに「僕」は苦しそうで、一方玲は自由気ままだ。そんな玲に誘われて、深夜を二人で過ごす。その時玲の提案したことが、支配の輪の均衡を微妙に崩す。主人公はその時支配からの脱出を果たすのである。子どもの繊細な視点から描かれるオトナの世界が絶妙。静かな成長を描く、自己形成物語。オススメです。