家にいながらナンパされた話
おもながゆりこ
第1話
昔、私がひとり暮らしをしていた頃の事。
朝、出掛ける支度をしていたらチャイムが鳴りました。
ドアホンで応対した所
「下の部屋の者です」
と言われました。
その前夜、室内で音楽をかけてひとりで踊っていたので(私は変な奴です)
苦情かと思い
「あ、昨夜うるさかったですか?」
と恐縮しながら聞いたら
「いいえ、違います」
と、のたまいます。
仕方なく開けると、同世代の若い男の子が立っており、何か楽しげに
「ボクは九州の出身で、就職の為にこっちに出て来て、まだ不慣れで、色々あって」
などと、ひとり語りをしています。
「あのう、なんなんでしょう?」
と聞くと
「お友達になってください」
と言われました。
断って傷つけたらいかんのだろうと気を使い
「はい」
と答えると
「有難うございました」
と、跳ねるような軽やかさで帰って行きました。
んん、今の何だったなかな、と思いながら会社へ行き、ランチの時にみんなに話した所
「それ、ナンパだよ」
と言われました。
わぁ、私、朝から、家にいながらナンパされちゃった。
こんな経験、滅多になーいヽ(*^ω^*)ノ
その後、その人とはすれ違う時に挨拶するくらいの中にはなりました。
お友達と言えるかどうか…。
そしていつの間にか引っ越しして居なくなっていました。
友達なら、最後に挨拶くらいしていってよ〜。
人はいつナンパされるか分からないと学んだ朝でした。
家にいながらナンパされた話 おもながゆりこ @omonaga
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