『主な登場人物』

 ページをめくって最初に出てくる登場人物一覧表。

 それを見てワクワクするひとは多いだろう。特にミステリー好きは。


 探偵小説のシリーズものでは、探偵役、ワトソン役が最初か最後に載っている。お馴染みの警察関係者が出てくる場合はたいてい最後だ。

 途中に出てくるのがその小説の「主な登場人物」なわけで、その中に犯人の名がさりげなく書かれているはずだ。

 この一覧以外から犯人が出てきたら超ヒンシュクを買うだろう。


 さて、この登場人物一覧表を見た瞬間にすぐにストーリーを想像するフライング・スターターもいるに違いない。

 しかしいくら何でも一覧表でストーリーがわかるものではない。

 敢えてそれを承知の上でその無謀に挑戦するひともいる。

 いや、挑戦というよりはやはりだ。

 そしてそれをわざわざ書籍化した先達がいる。


 『主な登場人物』 清水義範 1991年


 レイモンド・チャンドラー『さらば愛しき人よ』の登場人物一覧をもとに書いた小説。もちろん作者自身は原作を読まずに書いている(らしい)。

 もう古本でしか手に入らない本であるが、購入すべきか迷っている。

 話題性はあっても中身が伴っていないというような評もある。それだとちょっと二の足を踏んでしまう。

 うーむ……

 読んだことのあるひとの意見・感想を聞いてみたいものだ。


 小説投稿サイトの自主企画で、これと似たような企画を見たことがある。企画者が登場人物を設定し、その中から何名かを選んでストーリーを考えて書くというものだ。

 二次創作のようなものだろうか。原作のない二次創作……


 同じ書き出しとか、同じエンディングとか、三題噺とか、縛りのある企画ものの一つなのだろう。

 小説を書く練習にはなるのかもしれない…………かな。



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【主な登場人物】 はくすや @hakusuya

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