Web小説でここまでやるか、と思わせるほどの完成度

世界観の魅力については他の方のレビューに譲りますが、本作の真骨頂は詩的な文体と緻密に設計されたSFガジェットにあります。


「星霊（ネビュラ）」「ルナティック変換器」「神経回廊（シナプス・ルーム）」――など
その一語一語が、記号ではなく「世界の手触り」として読者の感覚に染み込みます。


言葉の密度と思想の香りが調和したこの作風は、ハヤカワ文庫JAあたりに並んでいても全然違和感がないと思います。
静謐で思索的なSFを好む方には、ぜひ手に取ってほしい一作です。