第25話ダンガ帝国の戦い2
「あれが帝王ダンガ3世の弟が支配しているダンブ領か・・・堅牢な城だな」
「はい、1度だけ遠くから謁見したことがあります。ダンプ領は、帝都に向かう主要な道が3つからなる重要な物流拠点でもあり帝都を守る領土でもあります。今では、守る帝都もありませんが・・・」
話してるのは、貴族で生き残った者だ。
今は、こちら側の味方になっている。
「多くの物がここを通るのか」
「武器の持ち込みも厳重にチェックされて、持ち込むのは不可能です。防衛都市として堅牢な城壁が続いております。聞いた話では、壁が30キロも続くと・・・」
「各地の港は・・・」
「帝都の港程大きくありません。軍船も帝都しか存在しません。船も商品を輸送するために使ってるようで戦いに不向きで、もしも船が攻め込んできても大砲で撃破すればよろしいかと・・・」
もっともな意見だ。
なので引き連れた軍勢でダンブ領土を包囲。
「君も貴族だから分かるよね、このままだと帝国は崩壊するよ。だから弟に伝えて欲しいんだ。我らに全面降伏して従うなら領土の安堵を約束しよう。それに失敗しても君の家族には、危害は決してくわえないことも約束しよう」
「分かりました。私なりに説得を試みます」
生き残った貴族の中で公爵と名乗る人物を送り出した。
期限の2日。
その期限に経って、あの公爵がようやく帰ってきた。
「申し訳ありません。従う気はないと言われました。それに見えない後方には、貴族連中の軍が控えていると思われます」
「気にするな。それが目的だったんだよ。我らも戦いの準備をするか・・・今頃、軍船が各地の港から上陸して占領しているハズだ」
「準備が整いました」
「城壁へ向かって撃て!!」
大砲が次々に撃ちだされた。
頑丈な門が大爆発で吹っ飛んだ。
数にして50発以上も撃ち込む。
城内からも火の手が上がるのも早い。
壊された壁から骨モンスターが入り込む。
空からも急降下しる骨モンスターが火を放つ。
ああ、空高くに舞う人影が・・・・・・
ミーヤ「辺境伯さま、距離にして10キロの方向の敵が動きました」
ミーヤのモンスターが空から知らせたに違いない。
貴族連中が向かって来てるのが手にとるように分かるらしい。
「距離10キロ。ミーヤが指す方向へ放て!」
大砲から次々に撃ちだされる。
1時間過ぎただろう。
ミーヤ「辺境伯さま、軍勢が全滅したようです」
マジか・・・
その頃・・・
ダンガ帝国の各地へ軍船による強襲が行なわれようとしている。
貴族は、出払っていて兵士の数も少ないハズだ。
それが俺の狙いだった。
港に停泊している船は、すべてが商船だった。
港には軍船は無い。帝都の港にしか存在してなかった。
それは貴族を信用してない証だった。
帝都の軍船もすべてを拿捕して、船の兵士もこっち側につくと約束済みだ。
小船によるピストン輸送も上々だ。
邪魔する者は、船上から狙って倒す。
敵側も何故倒れるのかも分からないまま、上陸は成功。
指揮する隊長は「槍を叩きつけろ!怖がる必要などない。分かったら槍を振り上げろ!!」
槍を大きく振り上げるのは、素人の住民兵だ。
呼びかけに志願した住民に、銃など持たせられない。
裏切られたらヤバイからだ。
それに銃より手軽な槍を使った戦いの方がいい。
振り上げて、振り下ろすだけだ。
降り注ぐ矢は、スライム盾で防ぐ。
防ぐ専門の防御兵も住民兵だ。
敵兵は、5メートルまで近づいている。
「今だ!叩きつけろ!」
命令されるまま槍を叩きつける。
槍の長さも5メートルを超えて、軽量で頑丈な槍だ。
刀身部分の切れ味も申し分ない。
その槍が敵兵の防御した盾は「ズバッ」と切裂いた。
「俺の指先が!」
もだえ苦しむ兵士があっちこっちに見られる。
そんな兵士に槍が叩きつけられて体がズタズタに切裂かれた。
プロの兵士が呆気なく死んでいる。
あっちこっちで兵士が死んでいる。
これって武器の差だ。
めちゃくちゃ斬れる槍には、盾も紙切れ同然だった。
「いいか!よく聞くんだ。これに勝ったら税は半分だ。気合を入れて戦え!!」
ダンガ帝国の平民だった者は、日頃の
兵士は、堪らず敗走。
それでも住民兵から怪我人がでた。
救護班が駆けつけて矢を引き抜く。
「ギャーー!」
「これぐらいの怪我で泣くな!」
怪我した部位に上級回復薬をかける。
あっという間に怪我を治す。
「嘘みたいに治ったぞ」
「手足が無くなっても治す薬だ。心配せずに戦え!」
「はい、戦います」
心配して見てた者も安心して戦いだした。
「我らに降伏して戦いに参加すれば、税金は半額だ。憎い貴族を倒せ!」
「憎い貴族を倒せ!倒せ!」
「我々に自由だ!」
「自由だ!」
なので次々に平民が仲間になった。
戦う者を増やす作戦がうまくいってる。
そこに登場した戦車。
全長 6.84メートル
全幅 2.48メートル
全高 2.12メートル
全備重量 14トン
最高速度 60キロ
スライムバルーンでようやく上陸を成し遂げた。
大砲を積んだ、6輪駆動の乗り物の戦車だ。
操縦士は1人。
大砲を狙って撃つ砲手も1人。
砲弾込めをする者1人。
機銃で人が寄らないようにする者が1人。
指揮する者1人。
5人で戦車を操っている。
その戦車が壁を砲弾でぶっ飛ばす。
その砲撃の音で、恐怖に叩き込められる人々。
城にも撃ち込められて呆気なく降参。
その勢いは各地に広がって、勝ち続けた。
住民兵の数で圧倒したからだ。
貴族連中も呆気なく全滅。
中には遅過ぎる降伏する者もいたが屋敷と財産のみ許して領土は没収だ。
大きな広場で壇上の俺は、言い放つ。
「ここにラストニア王国を宣言する」
拍手喝采だ。
俺が支配する国が始まった。
辺境領に追いやられたので好き勝手にやるよ @katuniro
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