第24話ダンガ帝国の戦い




1番最初に行ったのが属国ラグーン。


40隻の船に驚いていた。

なので山に砲弾を撃ち込んで、更に驚かせる。


海から見ても、山に大きな穴が出来ていた。

それに、あの大爆発の音にも衝撃を受けて、住民が飛び出して驚いてるぞ。


兵士や住民が山を指差して「穴が!開いてるぞ」


「あの音は、なんなんだ」


「なぜ!山に穴が・・・」


そんな感じだ。



なのでラグーンから小型船が来たぞ。


そして投げ下ろした縄ばしごで乗り込んできた。

銃の威力も知ってる人だから、手をあげて「撃たないでくれ」


乗って来たのは10人。

それに対して銃を構える船員は20人。


「閣下、あやつが案内したラーグレです」


俺は、ジロリと見た。


「今回の出来事は、私どもには一切知らないことでして・・・御勘弁ください」


「ダンガ帝国の情報をもっと詳しく知りたい。あの大爆発を見たハズだ。ワイバーンも撃ち殺す威力だから、ダンガ帝国に負けるハズがない。一生ダンガ帝国の属国のままで良いのか、勝ったら独立させてもいいぞ・・・」


ラグーンの国王は、喜んで情報を話してくれたよ。


そしてラグーンからも船が5隻も参加。

国王も腹を括ったようで戦争に参加するって申し込んできた。

帝国の事を知ってるのは、ラグーンの人々だ。

参加させて情報をもっと引き出せるハズに決まってる。


しかし、今日は風がなかった。

ラグーンの船も鎖で引張るしかない。

えらい迷惑だ。





「船長、ワイバーンが見えます」


「大砲を準備して貫通弾で仕留めろ!」


ワイバーンが2頭も飛んできた。

2発の貫通弾が2頭に命中して海へ落とした。

貫通弾は、当たった瞬間に爆発しない。


今回の作戦は、夜の上陸作戦がメインだ。


夜まで見つからないのが1段階だ。




夜の月明かりで港を包囲して上陸を開始。


見つかったら銃で「バキューン」と仕留める兵士。

あっちこっちで銃声が鳴り響く。


「右から回り込んで攻めろ!」


「抵抗する者は撃ち殺すぞ!死にたくないなら剣や弓を捨てるんだ」


弓を構えた兵士が一瞬で撃たれる。

訳も分からない音を出す攻撃に、魔法だと勘違いして次々に武器を捨てだした。


「この港の名は、ダーガです。帝都は10キロ先です」


その言葉を聞いたミーヤが「私にやらさせてください」と言ってきた。


俺も、それが狙いだった。

自国との戦争を考えたら、こんなチャンスは滅多にない。


「ミーヤ、好きなように戦ってこい」


「ありがとう御座います」


両手を天にささげるように上げて「召喚」


ミーヤの周りに黒い霧が続々と発生して骨のモンスターの姿となった。


ミーヤを一目見て走りだす骨のモンスター。

空には、骨のモンスターが飛んでいた。

バットバードのなれの果てだ。



ラグーンから来た兵士は、驚くしかない。


「あれは、悪魔か!」


「世界の終わりだ」


「心配するな。俺らの仲間だ」


ラストニアの兵が気楽に話しかける。


「それは本当ですか・・・」


「嘘を言ってどうする・・・野郎ども抵抗する者は、殺してもかまわん。略奪やレイプは許さんからな!見つけたら、その場で殺す」


「分かってますよ。何回聞いたか分からないくらいに聞きましたよ」


「それは、ラグーンの兵士も同じだから忘れるな!」


ラグーンの兵士は、更に驚く。

ダンガ帝国の兵士に仲間を殺されて、悔しい思いが・・・


「諦めるしかないな・・・」




港の掌握が呆気なく完了。






帝都のそびえる城では、混乱した兵士が騒いでいた。


街には、骨のモンスターが暴れ狂って建物を壊しながら迫っていた。

空からもモンスターが襲ってくる。


人々は逃げ惑い、城へ助けを求めて兵士の制止も聞かない。


「ここは、立入り禁止だ。騒ぐと斬るぞ」


「斬れるものなら斬ってみろ。こっちは命が掛かってんだ」


「なんだと!」


1人の兵士が騒ぐ人を斬った。

それが切っ掛けで兵士に群集が襲い掛かる。

数で圧倒する群衆には、兵士も敵わない。

3人、10人と兵士が倒された。


誰も群集を止められない。


城内に群集が一気に流れ込んだ。



そんな謁見の間の帝王ダンガ3世が怒りながら現れる。

普通なら礼に反する場であったが兵士が駆け寄る。


「ワイバーンがすべて討ち果たされました。皇太子ベルガン様の消息も分かりません」


「なんだと!相手の数は!」


「ハッキリした数は分かりません」


「およその数を申してみよ」


「・・・」


「数も分からんのか!ワイバーンも全滅だと・・・・・・何故だ」


「相手は、すでに死んだモンスターです。空には骨の大鳥が飛んでおり大コウモリも飛んでいます」


そんな謁見の間にも、人々がなだれ込んで来た。


「なんだ貴様らは、トットと出て行け!」


それは無理だった。

何故なら混乱の最中に火事が発生。


その火と煙から逃げてきた人々だから、パニックになっている。


中に居た兵士や帝王ダンガ3世は、倒されて踏みつけられて死んでいた。

呆気ない死に様だ。





「おい!城が燃えてるぞ」


ベンジャミン「これでは戦争に勝っても誰に賠償させたらいいんだ」


「心配するな・・・帝王ダンガ3世の弟が、近く領土に住んでる情報を手に入れてるから大丈夫だ。それにしてもワイバーンを倒しただけで、最強が最弱に転じてしまうなんて・・・」


「空からの攻撃が、あまりにも有利だった。それに頼り過ぎたダンガ帝国が負けるのは目に見えていた。私たちも気をつけた方がいいですね」


「ああ、そうだな」



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