『恐怖』と『笑い』の本質を抉る。

『恐怖』と『笑い』この二つの情緒には
実は共通の 何か があると思うのだ。
 この作品は、それを行動科学的に、
或いは大脳生理学的に証明してくれる。

        そんな気がする。

作者は『笑い』を描けば容赦なく笑いの
渦へと引き摺り込むが『恐怖』を描けば
恐ろしさの底なしの闇へと、これ又
引き摺り込んでしまうのだ。

  その《振れ幅》が、半端ない。

この作品は、まさにその振れ幅を思い切り
振り切って展開して行く。

まるで、怖いお化け屋敷を体感する様に。
エピソードの終に身を隠しながら、次、
行っていいのかな?と辺りを見回す。
『笑い』が出ても『恐怖』が出ても、
それは多分同じ。同じ感情で読んでいる。
この快感を是非にも味わって欲しい。

因みに、この作品の中では可憐な女性の
《殺し屋》が出てくるが、個人的には
彼女が イチオシ である。
 是非、探してみて。


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