第33話 バンドの居心地ですか?

 音楽と人生を彩るものが復讐であったのならば、今の私は何色なのだろうか。

 モノトーンか。

 しかしよくよく考えて見れば、バンド自体はガースルバンドであっても、私自身はカラフルとはほど遠い人間な気がする。これで良かったのかも知れない。


 今日は日曜日だったけれど、学校の音楽室で練習する日だった。なんだかんだあって、東京に帰ってきてから、しばらく忙しかったのもあって久しぶりに練習で、久しぶりに全員で集まる。

 私は緊急事態ということで仕方ないのだが、数日北海道に行ってしまった。そのまま母の退院も待って、数日は授業も欠席してしまっている。私はいいが、他のバンドメンバーはさすがに学校を休む理由まではない。

 もちろん彼女たちは、私に気遣ってついてきていた。生徒会長の権力を最大限に使っておいたものの、一応は示しを付ける意味でも一週間の音楽室利用禁止ということで手を打ってもらっている。


 音楽室以外でももちろん練習はできた。

 しかし外で練習場所を確保するとお金がかかる。バンドの運営費はゆとりもあるけれど、なるべくは節約すべきだ。それに、そもそも一週間の音楽室利用禁止は私がしばらく時間を置きたくて、という理由でそこに落ち着けたというのもあった。

 私が本気を出せば、無罪などいくらでも勝ち取れたのである。


 なにはともあれ、音楽室で練習できるというのは学生の特権だ。どっちにしてもなるべく使い尽くすつもりだった。


 いつまでも高校生ではいられない。私はあと一年半もすれば高校を卒業するはずだ。


 インモラルな音楽活動に勤しんでいるけれど、生徒会長としての実務は完璧にこなしているし、生徒だけでなく教師たちからも絶大な支持を受けている。

 今更、ちょっとやそっとで卒業できないなんてこともないだろう。


 少し悩むのは、進学するかどうか。

 音楽で成功するのに、大学へ行く必要はあまりないかもしれない。


 日本の音楽大学は、あまりバンドに向けての学問には力も入れていないし……そうは言っても、専門学校に行くつもりもない。

 いっそ海外なら、バークリー音楽大学あたりなら私も多少興味もあるけれど。ま、わざわざマサチューセッツまで行くのも面倒だし、適当に国立大学にでも通っていざってときの保険をつくりながら、気ままにバンドを売っていこうかな。


 ――と、少しだけ現実逃避した。

 考えていた内容はとても現実的で、私ならそれを実現できるだけの力もある。


 ただ、その前にどうにかしないといけない大きな問題が残っていた。


 これについては、私の自業自得で新しく生まれてしまったものであり、私がどうにかするしかない。


 時間通り音楽室に到着し中に入ると、なんのことか、全員が既について私を待っていた。


「……おまたせ」


 遅刻したわけではないけれど、最後というのもばつが悪い。なんでいつき君までこんなに早いのか。

 みな一様に私を見て笑顔を浮かべている。やりづらいな。


「待ってたよ、マイダーリン」


 まずこっちに来たのは、ドラムセットの前にも座らずスティックをくるくる回していた斎君だった。


「ダーリンって、違うでしょ……」

「日本だと男性に向けて使うことが多いけど、本来は性別の定義はなく最愛の人をそう呼ぶんだよ」

「それは知っているけど、斎君が私に使うのは間違っているよね」

「なんで!? 最愛の人だよ!!」


 他の誰かならまだわかるかも知れないけど、斎君にそう呼ばれる覚えなんて……。


「ねえ、シズ? 僕たち、つまりそういう関係だよね? 一人とは交際していて、他のメンバーとも特別な関係って……え、僕がその一人だよね? そうでなくても特別な関係だよね?」

「……四人中一人が交際関係で、あと二人が特別な関係かな。多少省略があったね」

「お互い恋愛禁止という厳しい時もあったけれど、今は愛し合うバンドメンバーってことでいい?」

「……斎君、禁止してたときあった?」


 しかしこの節操のない彼女だけれど、どうも私のことは本気らしい。信じていいのか、そもそもそれが真実だとして斎君の言葉を信用する価値なんてあるのか。

 ――価値がないとまでは、思っていないけど。


 斎君は必要だ。バンドに取ってなくてはならないメンバーだ。ドラムの技術も女性ファンの人気も。

 ただもちろん、私個人としても斎君のことは必要としている。

 彼女もこう見えて、私のことを心配してくれていたし、譜々ふふさんのことでは気も回していたらしい。


 そしてなにより、


「……斎君、私のことなんて呼んでもいいから、この後修羅場になったら斎君のモテ技術とやらでどうにかして…………そういうの逃げるの得意でしょ?」

「うーん、まだ僕のことに誤解があると思うけど。ま、ダーリンのためなら力を貸すよ」

「ありがと、刺されそうになったら身代わりになってね」

「ははは、それはちょっと……」


 さすがにそれは冗談だ。刺されるつもりもないし、万が一でも斎君が代わりにとなると、私も夢見が悪くなりそうだった。一応、しばらくギターケースを持ったままでいよう。いざという時、盾にできる。


 そういうことで、入れ替わるように譜々さんがやってきた。

 楽譜を片手に、首にはヘッドホンをさげている。


「あたしより後に来るなんて珍しいわね、嘘つき」

「……嘘はだいぶ減ったと思うけど」

「正直にクズを打ち明けるのはあたしだけって約束。破ったわ」

「クズを打ち明けたつもりはないけど」

「なに、さっきもクズチームで仲良さそうにしてたじゃないの」


 譜々さんがさげすんだしせんを向けてくる。待って、そのクズチームって、私と斎君のこと?


「あんなこと、堂々と発表するなんて……やっぱり静流しずるが一番おかしいかもね」

「このおかしな状況をつくった原因であるみんなの方がおかしい。私は……まあ、多少はね、音楽やっている人間が普通過ぎるのもつまらないから」

「ちなみに北海道滞在中、ひろは水どうのロケ地巡りしてたわよ」

「……え、尋ちゃん好きなの?」

「見たことないけど、北海道観光地お勧めで出てきたって」


 母の退院を待つ数日、みんなは先に帰ってもいいのに私たちを待っていた。

 ただずっと病院やホテルにいたわけではなく、みんながなにをしていたかは知らなかったけれど――尋ちゃんがそんなことをしていたとは。


「やっぱりあの子にはかなわないわね。静流は残念ながら二番ね」

「……全く残念ではないよ」


 譜々さんはなんとなく尋ちゃんのことを意識しているみたいだ。

 変わり者を目指していた彼女にとっては、本物の彼女はやはり気になるんだろうか。


「そういうことで、契約は破棄かしら」

「そういうことって……たしかに、あのライブでかなり正直に打ち明けたつもりだけど……」


 まだ隠し事はある、と思う。

 しかしなんでもかんでも正直に言えばいいというものじゃない。こういうのは気持ちの問題だから、要所だけちゃんと隠さず言えばトータルで誠実な人間になる。

 むしろちょっと隠し事はするけど、大事なところはしっかり伝えるくらいのほうが、すべて明け透けよりも信頼が置かれやすいはずだ。

 私はそういうバランスも気にしている。


 ただそれは、譜々さん相手でも同じだ。嘘はなくても、言っていないことはある。

 そういう意味では、やはり譜々さんと他のメンバーとの関係性はもう嘘という意味では同じになってしまった。


「でも、あの契約のことがあるから」

「え?」


 譜々さんは薄い唇をそっとなでて見せた。


「……あれは、あたしだけでしょ? まさか、他の人とも契約をしたなんてい言わないわよね?」

「え、うん。契約をしたのは譜々さんだけだけど……」


 契約なんて結んだ相手は譜々さんだけである。

 ただ彼女が言いたいのは口づけ、つまりキスのことだ。キスなら、沙也さやとも尋ちゃんともしている。


 ビジュアル系のバンドなんかじゃ、ライブパフォーマンスでメンバー同士がキスなんてこともそこまで珍しくない……と思うし、私も同性相手ということもあってそんな抵抗感もなく、必要だったからしたのだけれど。


「う、嘘の顔じゃない!! 静流、つまりあなた……他の人ともキスしたわけ!? 友情以上に特別な関係って言ってたものねっ!」

「待って、そんな大きい声出したらっ」


 斎君はともかく、沙也と尋ちゃんにまで聞こえただろう。

 彼女たちは、つまり私とキスした相手で、突然その話題が耳に入ってくれば、


「え~、静流ちゃん、ふーちゃんとなんの話しているの~!?」

「……キスは、わたしの得意なトークテーマ」


 沙也と尋ちゃんがこっちへやってきてしまう。


「……どうでもいいけど、尋ちゃんは嘘だよね。キスの話題が得意って」


 口下手な尋ちゃんに得意なトークテーマがあるとも思えない。仮にキスの話題だけ彼女が饒舌になるとしたら、ちょっと怖いくらいだ。


「やっぱり聞き間違えじゃなかった!? 今しーちゃん、キスって」

「キスって言ったのは私じゃなくて譜々さんだけど……」

「ええ~!! 二人でキスのこと話してたのは本当なんだ~、なになに、なんの話~!? もしかして、アタシとの……キスのこと!?」

「ちょ、ちょっと沙也!!」


 沙也が頬を赤らめ、自分の指を絡めて、体をくねらせるようにしてなにかをアピールしている。ギターが上手くなるストレッチならいいんだけど。


「え~、だって静流ちゃん発表してたから、もう隠さないんだよね? だったらさ、言ってもいいかなって」

「隠すのはやめようかなって思っていたけど……そのキスのことは……」

「あ~! もしかして静流ちゃん照れてる!? えへへ、もう二人で熱い夜を過ごしちゃったもんね~」

「それ違う意味に取られるからやめて」


 キスどうこうは、嘘はつかないけど隠しておくつもりだったことである。そもそも誰と彼とキスしたどうのなんて大っぴらに言うものなのか。

 発表したがる女子も見かけるけれど、別に言わなくてもそれが隠し事になるとも思えない。

 ただそれはともかく、


「密室で二人、愛を確かめあったじゃん~」

「誤解! 違うよ、みんな。カラオケで……キスしただけで……」


 明らかに誤解が広まってしまうのは困る。なので自分から訂正するが、これもこれで気恥ずかしい。なんで私がキスした話をしなくちゃいけないのか。よく考えたら、ファーストキスの思い出だし。


「だけ? ……静流さんにとって、キスはそういうもの?」


 沙也の数歩後ろで隠れるように立っていた尋ちゃんが、恨みがましい目を向けてきた。

 手にはヤスリを持っている。金属の鈍い光に一瞬ヒヤッとしたが、刃はついていない。ただ爪を整えるための道具だ。尋ちゃんは指でベースを弾くこともあるから、マメに手入れしているのだろう。


「だけって言うか。その……愛情表現の一種だとは思っているし、恥じらいの気持ちもあるみたいだけど……まあ、その同性だし? 多少軽いノリでそういうことがあっても、ほら仲良しの延長線かなぁって」

「それならまたしてもいいはず。今してもいいはず」

「ダメだよ~!! 静流ちゃん、尋もなにしているの~!! そういうのは、特別な人とすることだよ~」

「わたしも静流さんと特別な関係」


 こうなることは多少想定していた。

 だから時間を置いて、熱が冷めていてくれないか……と私にしては珍しく逃げの策に出ていたのだ。


 ただし、私の推測では――。


「待って! ……えっとさ、もっと他にもあるよね? 私が散々メジャーデビューを目標に掲げて、みんなのこと担ぎ上げてバンドやってきたのに……レコード会社の人にあんなこと言って……」


 グループメッセージでメジャーデビューの話は継続――奇跡的にも、私のバカな行動で白紙にならなかったとは伝えていた。

 それでも誰よりもバンドを売ることだけ考えてきて、みんなにも努力を敷いていた私が、なんの許可もなくしていいことではなかった。

 またあんなことをされては構わない。もう信用できない。バンドを抜けたい。


 誰かがそう言ってもおかしくない。……とも考えていた。


 しかも彼女たちとの関係もはっきり宣言してしまって、少なくとも沙也と尋ちゃん相手にはそれぞれ隠していた関係性が、完全に破綻してしまっていた。

 裏切りだ。二重の意味で、完全にみんなを裏切っている。


 時間をかけて、もしバンドを抜けたいとみんなが言い出した時の説得方法、二股だなんだと怒られた時の言い訳、いろいろと用意していたはずなのだけれども。


「レコード会社とかは、いいよ! 話もなくならなかったんでしょ~。アタシはもともと、そこまでメジャーデビューしたかったわけじゃないし、しーちゃんと一緒にいたいだけだし?」

「……とかって。気持ちはありがたいけど」

「わたしもメジャーデビューより静流さんのデビューが気になる。キスしたことがあるのは聞いていた。それが沙也? でも付き合っている相手でもないと言っていた」

「…………」


 あのときは沙也との交際を隠すつもりだった。というより、誰かとの交際についてを言うつもりがなかった。恋愛禁止だったし、間違った判断ではない。


「えっ!? 静流ちゃんどういうこと!? アタシ以外にもキスしたことあるの? あれ、待って……さっきの話しぶりだと尋ともキスしたの!? ……特別な関係ってそういうことなの!?」


 なるほど、沙也は「私が隠していた沙也との交際を発表した」というのが強い印象になりすぎて、他の内容は薄らとしか認識していなかったのか。

 しかし、それも今の尋ちゃんとのやりとりで――。


「どういうことなの静流ちゃん!? 浮気なの!? アタシ、未亡人なの!?」

「そうじゃなくて……」

「まずなんで尋と……どういうこと!? 尋から!? 静流ちゃんから!? え、本当にキスしたの!?」

「待って待って」


 こっち方面に話が転がるなら一人ずつ話して上手く言いくるめれば良かった。

 バンドの行く末を危険にさらしたことの説明をするつもりで、全員が揃っているときのほうがいいと思ったのに。

 しまったな、間違えてしまった。


「静流とキスしたのは、あたしもそうだから。……あたしのことかもね」


 困っていると、この騒動の発端(私だけど)の譜々さんが話に割って入ってきた。


「えええぇ!? 静流ちゃん、ふーちゃんともキスしたの!? なんで、そんな誰とでもキスしているわけ!? アタシとしたとき初めてだって言ってたのに~、あれからそんなたってなにのに、なんでこんなふしだらなの~」

「ふしだらって」

「静流さん、わたしは悲しい……キスして特別だと思ったのに、静流さんは誰とでもキスする……」

「違うよ? ……そんなことはなくて」


 譜々さんの言葉は一見助けなったけれど、結局二人からの追随は止まない。

 だいたいよく考えると相手が譜々さんでも他の誰かでもあんまり関係ないんだから、バンドメンバー内の人間関係の異常さが余計に際立っただけじゃないか。


「ちなみに、あたしは静流からキスされたわ。……あたし、初めてで驚いちゃったのに、無理矢理で」

「えっえっ、しーちゃんどういうこと!?」

「……わたしは、わたしからした。静流さんからしてもらったことはない」

「アタシもだよ~!! どうしてなの静流ちゃん!! なんで彼女のアタシには自分からしないのに、ふーちゃんにはキスするの!?」


 私は頭が良いので、タイムマシーンなど開発できるかもしれない。

 よし、今からがんばってタイムマシーンをつくろう。それで沙也がバンドをやめようと言い出した時に戻って……。


 少しだけ、考えてみる。

 母とのことは、多少選択肢を変えるかもしれない。睦望むつみともケンカはしたくないし、あまり祖母を困らせるのも嫌だ。……もちろん、母にも。わずかながら優しくしてみようという気持ちがあった。


 ただ沙也にバンドをやめられそうになったらまた止めるし、尋ちゃんのことだって止める。斎君にだって今みたいな感じで雑に接したいし、譜々さんのことはもっと上手く立ち回れそうだけど結局大きく結果が変わるかは怪しい。


 なにより、私は彼女たちとの今の関係をなくしたいというわけじゃないみたいだ。


 しかし、この状況をどうするべきなのか。大丈夫、タイムマシーンをつくるよりは簡単なはずだ。とりあえずこの場を収めて、みんなとは今後も良い感じの関係性でいよう。そのためには――。


「…………」


 ダメだ。タイムマシーンの方がなんとかなりそうだ。


「ねえ、静流ちゃん。アタシが一番だよね? アタシと付き合っているのは本当だよね!?」

「それは、うん」

「なら、他の人とのキス……ダメだよね?」

「ごめん」


 ごまかせないかと頭をよぎったけれど、口からは謝罪以外の言葉は出てこなかった。

 これで別れることになるなら受け入れるしかない。しかし恋愛関係のもつれでメンバーが脱退――なんてなると、今度こそ大辻おおつじさんにあきれられそうだ。


「じゃあ、キス……もう一回して。そしたら許す!!」

「え? ……え?」


 覚悟を決めかけていた私に、沙也が言う。

 それでいいのか。将来悪い男に騙されないか。と私が心配になってくる。一応、世間的には私がやっていたことは浮気なわけで、キスで許すというのはどうなのか。


「わたしも、キスで許す」

「……いや、許すって尋ちゃん」


 沙也に負けじと、尋ちゃんがぐいっと前に出てくる。


「えええぇ!? 尋はなに言っているの! 尋とのキスを許すのに、アタシにキスしてって言っているのに、それでまた尋にキスしたらおかしいよ! また怒るよ!」

「わたしも沙也にキスしたら怒る。わたしもキスしてほしい」

「尋にキスしたら、アタシにはもっとキスして~!!」

「あははは、二人とも本当に仲良い幼馴染みでうらやましいよ。嫉妬しちゃうなぁ」


 乾いた笑いを浮かべて、現実逃避する。

 この二人、なにを言っているんだ。まさか本当に、私に延々と二人に交互でキスしろって言っていないよな。


「二回に一回くらいでいいから、あたしも」


 譜々さんも余計なことを言って。


「……うん、まあとにかく、一旦落ち着こうか。まずは練習して……その後、ゆっくり話し合おう。一人ずつ」


 とにかく立て直そう。なぜか二対一、ないしは三対一の状況になっている。普段なら何人でもまとめて相手にして勝つ自信があるけれど、どうも今日ばかりは分が悪い。


「練習はキスしたらね~」

「……次はわたし」

「二回に一回だから、次はあたしね」


 待って、二回に一回ってそういうこと? それじゃあ結局三人でループするだけじゃないか。

 思わず後ずさりして、逃げようとする私の前に、


「シズ、大丈夫? ……僕がいるよ」


 斎君が立ちはだかった。

 まさか、私を守って……逃がしてくれる!?


「いざとなったら身代わりになるって約束だからね」

「あ、ありがとう?」


 そう感謝した瞬間、斎君はこちらに振り返って、私にキスをした。


「僕だけシズとキスしてないなんてズルいからね! マイダーリンっ」


 にかっと爽やかな笑みを張り倒したくなったけれど、さらに熱を増して三人が迫ってくる。

 私だってみんなのことが好きだ。だとしても、私以外のみんなは、いくらなんでも私が好き過ぎではないのか。


 ああ、こんなバンドの居心地は――。



 ―――――――――――――――

 最後まで読んでいただきありがとうございます。

 今回で本編は完結になります。長いことお付き合いありがとうございました。


 他にもいろいろ百合作品や、百合じゃない作品(少し)もあるので、この機会にこちらも読んでいただけると喜びます!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私以外ラブラブなガールズバンドの居心地は最高ですかっ!? 最宮みはや @mihayasaimiya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ