死にたくなったら飯を食え!

ろあんせんせい

第1話

ある日、一人の女性がマンションの一室で寝転んでいた


その女性の名は琴音。顔立ちも良く体つきも良い。簡単に言えば、勝ち組スタイルだ


琴音「、、、、、、、」


しかし琴音は


琴音「、、、、、死ぬか」


人生に疲れ切っていた


琴音(、、、もううんざりだ、、)


琴音(頑張って就活してゲットした職は、、、ブラックすぎるし)


琴音(人間関係もクソ。男なんか出来るわけねえし)


琴音(それに最近寝れねえ、、、不眠症、、ってやつなんかな、、知らんけど)


琴音(、、、この辛さから逃げるために、酒もやった、、タバコもしてる)


琴音(けど、全部身体が慣れた、、もう限界だよな、、)


琴音「なんのために頑張ってきたんだろ、、」


気づけば琴音は、マンションの屋上に立っていた


琴音「、、、私のせいで屋上使えなくなるんかな、、、まぁ〜いいや、、知ったこっちゃねぇよ」


琴音(、、、クソッタレの世界だったよ、、、)


琴音は飛び降りようとしたその時


琴音「、、、、最後に飯でも食うか、、そっから死の」


琴音(うめーもん食って死んだ方がいいしな)


そして琴音は、近場のバーガーチェーン店に入った


琴音(、、久しぶりだな、、来るの)


琴音はいちばん美味しそうなものを頼んで、席に座った


琴音「、、、最後の晩餐ってやつか、、」


琴音は黙ってバーガーを食べ始めた


琴音「、、、、うまっ、、」


琴音(あれ、、こんな美味かったっけ、、)


気づけばセットひとつ食べ終わってしまった


琴音(、、、こんな美味いもん食ったの何年ぶりだ、、?)


琴音「、、、もうひとつくらい、、」


そして琴音は、またセットをひとつ頼んだ


それもペロリと平らげると、代金を払い店を出た


琴音「、、、美味かったな、、」


琴音「、、、、さて、、死━━━」


その時、琴音が大きな欠伸をかました


琴音「、、、、眠い、、」


琴音(眠気なんて何年ぶりだ、、、)


琴音「、、、まぁ、死ぬのは明日でもいいか、、」


琴音は家に帰って寝ることにした


ベッドに横になった途端、琴音は気絶するように眠ってしまった


琴音「、、、ぐぅぅ〜、、、」


そして翌日


琴音「、、、、はっ!」


琴音「い、今何時?!」


焦ってスマホを確認すると


琴音「、、、6時か、、ビビったぁ、、、」


琴音「、、、ってか、ひっさびさだな、、こんな気持ちよく寝れたの、、」


琴音「なんでだろ、、薬飲んでもよく寝れなかったのに、、」


琴音「、、、まぁ、仕事行くか」


色々支度をして、琴音は会社に向かった


いつもの思い足取りが、今日は軽く感じていた


会社について、自分のデスクに座った


琴音(、、、なんか気持ちがいいな、、いつもはすぐにでも帰りたいって欲求に駆られていたのに、、)


琴音(、、、ヤクでも吸ったか、、?いやいや、してねえよ、、)


琴音(まぁ、とりあえず1日頑張ってみるか、、)


そして業務が始まる


琴音はいつも以上に集中していた


琴音(なんか指が軽い、、!マジでなんなんだよ!今日の私!)


そう思いながら意気揚々と仕事をしていると


琴音の上司がやってきた


上司「おお琴音ちゃん、今日はいつも以上に仕事に精が出てるじゃない!」


琴音「え、あ、あぁはい、、」


琴音(ひ、久々に褒められた、、)


嬉しんだのも束の間


上司「そういう琴音ちゃんに、ちょーっと頼みがあるんだけどさ!」


上司は資料を琴音に渡した


上司「これ!今日中まで頼むよ。明日の会議に必要なんだ。僕も手がいっぱいでね〜」


琴音「え、でも私、今ほかの仕事で手一杯で、、」


上司「そこを何とか頼むよ〜。僕たち仲間だろ?助け合いだよ助け合い」


上司「じゃあ!今日中まで頼むよ〜」


そう言い残して上司は去っていった


琴音「、、、、、、、、」


気づけば琴音は、喫煙ルームにいた


琴音「、、、はぁ〜〜〜〜〜、、」


琴音(ざっけんなよあのカス上司、、、)


琴音(なーにが精が出てるね〜だよ。てめぇのせいでまただるくなってきたわ、、)


琴音「すぅ〜〜〜、、、」


琴音(あーマジで最悪。さっさと消えてくれねぇかなぁ。てめぇが消えても誰も困らねぇからさぁ)


琴音「、、、はぁ〜〜〜〜、、、」


琴音「、、クソッ、、」


タバコを吸い終わった琴音は部屋を出て部署に戻ろうとしていた


その時、御局様と出くわしてしまった琴音


御局「あら琴音さん。どうしたのこんなところで」


琴音「あぁその、、ちょーっとトイレに、、」


御局「ふぅん、、、行くのは勝手だけど、さっさと戻ったら?貴女みたいな人は生産性がないんだから、さっさと仕事に取り掛かってもらえる?」


琴音「、、、、は、はぁ、、」


御局「あとあなた、変な匂いするわよ?体きちんと洗ってるの、、?汚らわしい、、、」


琴音「す、すみません、、、」


御局「ふんっ、まぁいいわ。さっさと戻りなさい」


そう言い放って御局様は去っていった


琴音「、、、、、、、」


琴音(あ〜〜〜〜ガチで死ねよぉ?!)


琴音(なんなのあのババア?!まじ気持ちわりいことしか言わねーじゃん)


琴音(生産性がねぇだぁ?賞味期限が切れたてめぇが生産性がどーのこーの一丁前に言ってんじゃねえーよ行き遅れババア!)


琴音(それにクセぇだと?あったりめぇだろ!ヤニ吸ったあとなんだから!ちょっとはそのちいせえ脳みそで考えろカス!!)


琴音「、、、、、、クソ、、」


心の中で暴言を言うだけで、琴音は部署に戻った


仕事中にて


琴音「、、、、、、」


琴音(、、、やっぱり死にてぇ〜、、なんで昨日死ななかったんだよ、、)


琴音(、、、、帰ったら死の、、)


そして時間は経って、22時


琴音(はぁ、、やっと帰れる、、)


琴音(あのクソ上司、、てめぇのせいでこんな時間まで、、)


琴音(まぁいいや、どうせ今日で死ぬし)


そう思いながら、琴音は街を歩いていた


琴音(、、、、、ん?)


琴音の目に、とあるピザ屋が目に入った


琴音(、、、せめて死ぬ前に、腹満たすか、、)


琴音はそのピザ屋に入った


琴音(へぇ〜、色々種類あるんだな、、、)


店員「ご注文はどうなされますか?」


琴音「あ〜えっと、、、シーフードのL1枚と、、マルゲリータのL1枚お願いします」


店員「かしこまりました!少々お待ちください」


琴音は頼んだものが来るまで店で待っていた


琴音(勢い余って2枚頼んじまった、、しかもL、、、)


琴音(まぁいいや、満腹のまま死ねた方がいいだろ)


そして琴音はピザ2枚を受け取って、家に帰った


琴音「、、、、なかなか美味そうだな」


着替えることも忘れて、琴音は1つのピース食べてみた


琴音「、、、っ!」


琴音「んまっ!!なんだこれ?!」


琴音「最近のピザってこんなうめぇのかよ!そりゃ値も張るわ、、」


琴音「あ〜酒酒!絶対合う!」


琴音(いや待てよ、、よくピザにはコーラだとか、、そういうのあるよな?)


琴音はピザを買った時に付属で着いていたコーラ缶を手に取る


琴音「冷たっ、、」


そして琴音は1口コーラを飲んだ


琴音「、、、、」


琴音「〜〜〜〜〜〜!!」


琴音「かぁぁぁぁ!うっめぇ!なんだこりゃあ!!」


琴音「コーラってこんな美味かったっけ、、?!」


そこで琴音は閃く


琴音(そうだ、確かウィスキーがあったよな、、、)


琴音(試してみるか、、)


そして琴音は、1:1の割合でコーラとウィスキーを混ぜた


更に、ピザを片手にそれで晩酌を始めた


琴音「あぐっ、、んぐんぐ、、」


琴音(油っこいピザを食った後に、、)


琴音「ごきゅっ、、んぐっ、、」


琴音「かぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」


琴音(コークハイを流し込む!)


琴音「うめぇっ!うんめぇぇぇ!!」


琴音「なんだよこの組み合わせ!なんで教えてくれなかったんだよ!」


琴音(国語算数理科社会よりこの食い方教えろよ文部科学省!!)


さらに琴音は食べ進めていく


そして数分して、ピザ2枚を食べ尽くしてしまった


幸福感でいっぱいになった琴音は床に寝そべる


琴音「、、、ふはぁ〜〜〜、、」


琴音「たまんねぇ〜〜、、////」


琴音(もう死ぬとかどうでもいいわ、、こんな美味い思い出来んのに死ぬとかバカ抜かしてんじゃねーよ、、)


琴音「、、、たばこ、、、はいいか、、」


琴音(タバコ吸ってる時より幸福感がある、、)


琴音(つーか死ぬなら、、このまんま死んでみてぇ〜、、、)


琴音「くはぁ〜、、、」


琴音(まじ飯と酒とタバコさえあればなんもいらねぇわ。人間関係もクソどうでもいいし、男なんかも要らねぇなぁ、、)


琴音「少子化進めちゃってごめんちゃ〜い、、へへっ、、」


そして気づけば、琴音はまた眠気に襲われていた


琴音(あー、、この感覚、、気持ちよすぎんだろ、、)


琴音(この幸福感の中、、ソファの上で寝る、、、、)


琴音(神様ありがとう、、、、こんな幸福を与えてくれて、、)


そして琴音は、眠りに入った


琴音「、、、くかぁ〜〜、、、」


幸せそうにヨダレを垂らして眠る姿は、死とは程遠かった


翌日


琴音「、、、、、んぁ、、」


琴音(あ〜いっけね、、あのまんま寝ちまってた、、)


琴音はいつものようにスマホの時計を見ると


琴音「、、、、、、、ふぇっ?!?!」


琴音「は、8時半?!うそっ?!」


琴音「やばいやばいやばいやばい!やらかした!」


琴音「えーとえとえとえと!どうしたらどうしたら、、あー!!」


琴音は焦りに焦ってテレビをつけた


番組は子供向けの朝番組だった


テレビ「良い子のみんな〜!」


琴音「があああ!終わったぁぁぁ!!」


テレビ「土曜日でも!しっかり早起き出来たかな〜?」


琴音「、、、、、え?どよう、、び?」


テレビ「さぁ!朝起きできた良い子達は、お姉さんと一緒に朝の体操を始めよー!」


琴音「、、、、そうじゃん、、今日土曜やん、、、」


休みということに気づいた琴音は、全身の力が抜けた


琴音「あ〜〜〜クソッタレ、、いちいちビックリさせんなよ、、」


琴音(クソみてえな会社だけど、、土日は休みだった、、)


琴音「、、、、にしても、こんな焦ったの何年ぶりだ、、?」


琴音(、、最近、新鮮な感覚をめっちゃ味わってる気がする、、体験したことあるのに、、)


琴音「、、、何があったんだろ、、私、、」


自分の身体の変化に疑問を抱き始めた琴音。死を決意していたあの日とは打って変わって


今の琴音には、生気が吹き始めていた


琴音「、、、なんか食うか、、」


次回に続く

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