技巧小説!

「視線」が印象的な小説である。
「夫」の視線とは対蹠的に、妻の視線は強靭だ。正確に、見るものをみ、聞けるものをきき、判断をくだしていく。
読者は、夫を見るようでいて、気づいたときには妻のほうを見ているだろう。
「視線」が巧く操られた技巧小説。