第11話:エルフ族

雲雀ヒバリ大森林は四つの森林が合わさって出来た、


穂郭ホカクの森林


喇嘛ラマの森林


慟哭どうこくの森林


彗星すいせいの森林


その中でもリオンがいる穂郭ホカクの森林には4つの交戦派閥の戦場である:優雅で耳の長い【|長耳人『エルフ》】族

獰猛で狡猾の【魔狼族】、強大で悪辣な【魔人ガヴァナント】

原始的で変幻自在な【猿人族】この4つの種族は流血と暴力の永遠の循環に閉じ込められており、各種族は他の種族に対する支配権を争っている。混乱と虐殺の中で、森林自体の構造は引き裂かれるリスクに直面している。なぜなら、各派閥はその資源を採掘しているからだ。


♢♢♢


──長耳人エルフの村。


大樹を掘り抜き、その中に巣穴を作ることで、魔物や敵対勢力から身を守る手段を確立した。この行為は、単なる生存戦略に留まらず、精巧な構造と洗練された技術を要するものであった。


「クロカッス爺どうしたの?」

赤い深紅のツイテールを揺らす長耳人エルフ・・・クリムゾン・レッドは何か考えているクロカッスにそう投げかけた。


「ん?先程とてつもないエネルギー量を感じたのじゃが・・・」先程の肩にのしかかるような重圧に不安を拭えないのだ、あれ程のエネルギー量は自分と同等かそれ以上だ、クロカッスはしばらく考え込んだがこれ以上考えれば周りは不安になると思い無理やり思考を切り替えた。


「魔狼族の動きはないか?」

只今エルフ族は魔狼族と火花を散らしている、互いに死者は数名出していた、


「はい、今の所。色彩も見当たりませんね」

色彩とはボスが率いる魔狼族の「最高幹部」の事を指す。


「だが下っ端のやつらも見ねぇな」

彼は長耳人エルフ族の武闘派集団の「グルティア」だ。


長耳人エルフの村には三つの武闘派集団が存在するのだ。


グルティアは体格が大きいエルフで身長は180cmをゆうに超える。背中には自分よりも大きな斧を得物とし敵を一撃で粉砕する。怪力男でもある。グルティアの危険視しているのは色彩は最高幹部だからともかく下っ端すら見ないのは不穏な風が来ているとしか思えなかった。


「そうね、何かあるとしか思えない早めになにかしでかす前に先頭を吹っかけますか?」

クリムゾンは軍事責任者だ、戦闘時はクリムゾンが基本的に指揮を執る。そんな彼女の言葉絶対的な権限を所持していた。

クロカッス相手ではなければ・・・。


「よせ、魔狼族は我々も待っている可能性がある、それに企みも既に達成した可能性だってあるのじゃ、今は相手の出方を見つつ、予め相手の作戦を想定し臨機応変に対応出来るように務めるのじゃ、それなファニー様に報告してからだ」


ファニーとは長耳人エルフ族の長だ。


相手の企みが分からない以上、迂闊に相手の庭に踏み入れるのは愚策だ、魔狼族は決して弱い訳では無いスピードに関しては相手の方が軍杯が上がる、僅かな隙間を見せればそこから崩させる可能性がある。下手な行動は慎むべきだとクロカッスは考えている。そんなクロカッスの思考を汲み取ったのかクリムゾンは返事返し、武闘派集団の最高幹部達を集める作戦会議に移行した。


「何が起きるんじゃ、・・・この森に」

やはり、クロカッスはこの森に何が起きると思っている。その不安は徐々に顕著に現れていく・・・。



♢♢♢

「なかなか見所があるな、漆黒のダクネス、白夜のリオン」

俺達は今「氷結のコール」に狩の仕方を伝授させてもらっている、その辺の適当な魔物を倒して手柄を上げているのだ。

本来は情報因子インフォメーションを使って情報を取り込みたいけどここは目が多すぎる流石に目立つ事は出来ない。


「あざす!」

俺はお礼を言う、ダクネスは当然だとドヤ顔していた。


「お前達強いな、どこにいたんだ」

コールの問いかけに答えたのはダクネスだ。


「どこでもいいだろ、それより百鬼夜行オルクラシの奴らを知らないか?」

ダクネスの上から目線はいつか知らぬの内敵を作ってしまうのではないかと俺は横目で見ていた。だが、流石自分で冷静と名乗る魔狼だ、怒りに支配させることは無かった。


百鬼夜行オルクラシ?・・・俺は知らないが、マシルなら知っているかもな」


マシルって黄色い毛並みをしている道楽のマシルだろ?女性の方で陽気な声をしていた印象がある。


「そうか、分かった」

ダクネスは頷くと、お礼を述べる。その直後にボスから招集がかかった。


俺達はその場をかけると既に他の色彩や手下の魔狼達は居た。


「良く集まってくれた」

ボスは俺達を一瞥すると再度声を上げる。


「俺達は今長耳人エルフ達と戦闘している、それは何故か!雲雀ヒバリ大森林を支配する為に必要の戦争だからだ!俺達は同胞を失った・・・我欲に塗れた裏切りによってだ、しかし今となっては過ぎ去りし過去だ。俺達に必要なのは仲間を失わないだけの圧倒的な力だ。長年の戦い──だがしかし!それも終わりだ!白夜のリオン、漆黒のダクネスが来てくれたことにより俺達今更に力をつけた!」

その瞬間俺達に視線が集まる。それは歓喜の視線、期待の視線、様々な思いが俺の体内を射る。


「今こそ!クロカッスそして忌々しい長耳人エルフを殺す時だ!ワォォォォォン!!」

ボスは遠吠えを上げ、その返事として他の魔狼達もも加わり、忘れられない叫び声を上げた。咆哮する交響楽が夜に響き渡り、空気中は原始的なエネルギーに満ちていて、ぞっとする。彼らの声の強い共感は森の中にこだまし、リーダーへの強い忠誠心で団結したワイルドな魔狼達だ。


「ダクネス・・・お前もやる気じゃねーかよ」

懸命に叫ぶダクネスを横目に俺はそう思った


♢♢♢

太陽が地平線に沈み、暗闇が忍び寄ると、月が昇り、夜空の宝石のように輝いた。星は瞬き、舞い、自分の光を放って、空に驚嘆の光を塗って、粛然とした。


「時は満ちた・・・」


ボスの姿が月光に照らされ、周囲を煌々と照らしている。彼は自身のエネルギーを隠さずに放出しており、その迫力はダクネスに劣らぬものであった。まるで魚が滝を登るように、彼は輝く月光の中を勇敢に進んでいく様子だ。


「行くぞ!お前達!」

ボスは叫ぶど他の魔狼達もボスに続くように森を駆ける。臨場感ある場面に俺は思わず興奮してしまった。


「兄貴やりましょう!」


「馬鹿かお前、逃げるんだよ!」

そう言うとダクネスは思い出したような顔をする、逃げたいが俺は最高幹部と言い要らない立ち位置に繰り上げされている為に、常に視線が集まる、更に俺達の初陣という事もあり注目の的だ、今俺がやる事は期待を落とすことだ、弱い振りをする、そうすれば勝手に失望するはずだ。


♢♢♢

エルフが戦事拠点としているひとつの場所を攻める。

ここを仕切るのは“イルジーア“だ。細身の色白の長耳人エルフでレイスピアを得物しといる、突きを基本的に得意としており攻撃速度は郡を抜けて高い


「イルジーア様!魔狼達が現れました!」


「な、何!直ぐにクリムゾン様に連絡をしろ!直ちに戦闘態勢を取れ!」

イルジーアの合図と共にエルフ達は直ぐに武器を取る、番人を任されていたエルフ達は既に弓をその手に取り戦っていた。


「ひゃひゃひゃひゃひゃ!!そんな精度じゃ当たらねぇよ!」

“狂犬のマッド“はエルフ族から放たれる弓を赤子を捻るように避けていく、本来エルフ族の弓の精度はプロを凌ぐが急の襲撃に焦りが弓に出た結果だ。


狂気眼光マッド・アイ

マッドの“固有スキル“狂気的な眼光マッド・アイは対象の恐怖を無理やり引き出すと言った魔眼系統に含まれるスキルだ。

エルフ達はそのまなこを受け萎縮してしまう、その隙は致命傷的だマッドは一瞬にして二人のエルフを爪で捌いた。


「ひゃひゃひゃひゃひゃ!よえぇ!よえぇ!」

狂気が宿った笑顔を見せた、マッドはヨダレの垂らし次なる標的を定めた。命を刈り取るその爪は人の身体を容易に抉りとる。


魔狼達はエルフ達を蹂躙していく、圧倒的な数を暴力に瞬くも支配していく──。

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