第3話約束

俺は、幼い頃から1人だった。


施設で育ち誰とも口を利かなかった。


1人を除いて‥。


中学生から俺は不良になり知らない人間は居なかった。


いつの間にかヤクザになっていた。


しかし約束を思いだしヤクザを辞めて工場で働き始めた。


そこでも、誰とも口を利かなかった。


黙々と仕事をこなして金を貯めた。


約束の日は、すぐにきた。


しかし、約束の場所には俺の姿はなかった。


ヤクザに、刺されて死んだ。


気持ちだけ約束の場所にたどり着いた。


魂だけかもしれない。


彼女は、川沿いの花畑で待っていた。


唯一、俺が施設で話した女だった。


【ねぇ、施設出て10年後に会わない?】


【何で10年後?】


彼女は、笑って何も答えなかった。


「会いに来てくれたね。」


「あぁ‥。」


彼女も魂だけ来ていた。


彼女は、病気だった。


2人は手を繋いでキスをした。


「嘘じゃなかったんだな。」


「そう、嘘じゃない。」


彼女は、約束した次の日に死んでいた。


2人は空高く飛び消えた。

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嘘つき屋 転ぶ @Ken123

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