10歳の頃、病院でギャン泣きして超迷惑をかけまくった恥ずかしい想い出♪
初美陽一
この黒歴史を書く私は一切の希望を捨てる(顔真っ赤)
まず初めに状況説明させて頂きますと、私が10歳の頃……今現在から数えれば、ちょうど30年前の話です。
放課後、学校のグラウンドでクラスメイトとサッカー(球技の方)をしていると、激しい衝突をしてしまい、右足を骨折してしまったんですね。
そこは別に良いのです。それはもう、それまで感じたことのない激痛とかはありましたが、特に泣きもしませんでした。(恐らく)生まれつき偏頭痛持ちですし、痛みには割と慣れていたほうだからでしょうか……。
骨折自体も〝綺麗に折れていた〟とのことで、三ヶ月で治る程度の軽いもの。
〝これだけ綺麗に折れてたら、治ったらむしろ前より丈夫になるよ〟とお医者様も笑っていらしたほど。
ですが、まさにその〝治る時〟――骨折から三ヶ月後、事件は病院の廊下で、起こったのです。
右足が動かないようガッチガチに固定した、石膏のギプスを。
外そうとする際――なんかすんげぇイカチィ電ノコを目の当たりした、その瞬間。
え~わたくし……え~、不肖、わたくしですね。
ギャンッギャンッにギャン泣きし始めてしまったのです――!
そらもう、ウアンウアン、ウオンウオンと、横長の低いソファに座ってギプス付きの右足を出した体勢で、豪快に大泣きです。10歳ってもう結構、大きいですよ。恥ずかしすぎる、背中が痒くなる。
病院の2階廊下だったので、病室から患者さんが心配して顔を出してきたほど。それがまた恥ずかしかったんですけれども。今も思い出して超恥ずかしいです。具体的には背骨と腰椎の付け根あたりが痒くなるほど、何だコレ。
それにしても幼い私、一種のパニック状態、というのでしょうか……イカチィ電ノコを目の当たりにしてしまって、怖かったのかもしれませんね。
いや~今となっては、何がそんなに怖かったのか、わからな………
すみません、めっちゃ覚えてるんですよ、何が怖かったのか。いっそ完全に忘却したかったですが、そんなパニック状態の時のことでさえ、なぜか覚えちゃってるんですよ、理由(だからこそ今も、背中がめちゃくちゃ痒くなるほど恥ずかしいです!)
まあその理由自体は大したことないので、簡潔にぶっちゃけてしまいますが……間の悪いことに当時流行っていた〝13日〇金曜日〟の〝ジェ〇ソン〟とか……。
何より〝ロボ〇ップ2〟でも割と序盤の、〝ロボ〇ップがバラバラに解体される〟という、ご存知の方も多いかもしれない皆のトラウマシーン。
電ノコを見た瞬間、そのシーンが鮮明に思い出されてしまったんですねぇ。
ギャン泣きスイッチですねぇ、なるほどねぇ。
……恥ずかしいですねぇ!!!(大赤面フェスティバル)
いや本当に、幼かったとはいえ、そんな些細なことで大泣きして、病院に大迷惑をおかけして……そもそも治療行為です、お医者様はギプスを切って外すなんて慣れてらっしゃるはずです。チャチャっとやって、すぐ終わるはずの作業ですよ。
全く、幼き私は、何をそんなに嫌がっていたのか……すみません忘れていたならよっぽど良かったのですが、覚えちゃってるんですよ、何て言ったのかまで鮮明に。
幼い時分の私は、こう呟きやがりました。
『ウッ、ウッ…………信用できない……』
オイ失礼すぎるだろおまえ(私)。
こんなんもう、その場で頭を引っ
でもですね、その時のお医者様はすごく優しい方でした。おじいさまというほどではないですが、白髪とおひげが穏やかな雰囲気を引き立てる、優しそうな先生で。
↓で、そんな先生の、
『ンフフッ!』(電ノコぶるぶるっ)
『ウワァァァァァァン!!』
なんかですね、ツボにハマっちゃったみたいで、めっちゃ笑っていらして。で、笑いを堪えるように噴き出すたび、電ノコめっちゃ揺れまくってまして。
その豪快に揺れる電ノコがまた更に怖くて、幼き私は泣きに泣く。
そんな泣きの一手に、更にツボっちゃった先生が噴き出し、電ノコが揺れる。更に泣く私……完全なる悪循環、ツボとループに完全にハマっちゃったわけですね。
けれど、こんなことで、いつまでも時間を使っていられません。その時点でめちゃくちゃ病院にご迷惑をおかけしまくっていましたし、超恥ずかしいですし。
いいか、泣き止めよおまえ(私)! 耐えろよおまえ(私だっつの)!
先生も待ちに入りました、というか笑いを堪えようとしていたのかもしれませんが、とにかく……さあ決着をつけるんだ!
『ウワァァァン! ウッウグウッ、ウエェェェン!』
『ふう。……………』
『ウッウオォンッ! ウオンウオォンッ……!』
『……………………』
『ウ、ウウッ! ングウッ……』
『……!(オッいけるか? というお顔)』
『ウッ、ウウッ。……………ふう』
『ンフフフフ!』(電ノコぶるぶるぶるッ)
『オアァァァン! ウオォォォォンッ!!』
もうちょいだったやろがい!!
あと笑って電ノコ震えるたび、ギプスに結構ガンガン当たってるんですよねぇノコが! その振動がまた怖かったんですけども!
いえまあ、私もアレなんですけれど、〝ふう〟じゃないよ〝ふう〟じゃ。そんなん私が先生の立場でも笑いますよ。そういえば横に看護師さんがいらっしゃったのですが、もう完全に斜め後ろを向いてプルプルしてらっしゃいましたし。
結局、これはどうにもならないなと、ギプスにちょっぴり傷が入っただけで電ノコタイムは終わり……。
二階の廊下から一階の手術室(っぽい部屋)に移り、ギプスの小っちゃな切れ目から無理矢理こじ開けつつ、ハンマーでブッ叩いて壊す、という方法になりました。
先生からは、このようにご注意いただきました。
『いい、正直めちゃくちゃ足に響くし、すごく痛いと思うよ。ていうかもし骨折がまだ治ってなかったら、もう切られるより本当に本当に痛いと思うよ』
『ダイジョブデス』
『いい、さっきの(電ノコのこと)にするんなら今の内だよ。本当に響くからね、本当に大丈夫!?』
『アイ、ダイジョブデス』
ダイジョブらしいですよ。
そして、説明通りに石膏のギプスをハンマーで叩き壊すことになりました。実際、めっちゃガンガンいってましたし、甚だ響いて痛かったと思います。でもまあ痛いのはそんなになので、黙って見ていました。
ダイジョブでした。
そしてついに、〝バカンッ〟(罵声じゃないですよ)という音と同時に、ギプスが外れました。骨折の治療中は本当に動かないようにするから、筋力が落ちた患部が驚くほど細くなるんですよね。
そして作業が終わり、看護師さんも心配そうな顔をなさる中……。
先生は幼き私に、気遣って声をかけてくださいました。
『……すごい響いたと思うけど、大丈夫? 痛かっ』
『わ~~足すごい細くなっててビックリです~』
『さっきまで泣きわめいてたキミどこいった?』
本当に言われましたし、私(今の)もそう思う。
看護師さんもトドメのように、思いっきり噴き出して、片手を机に添えて膝を突いて、しゃがみ込んでプルプルしていました。
ちなみに右足の骨折は〝めちゃくちゃ綺麗に治っていた……〟〝これ以上ないってくらい綺麗に治っていた……〟となぜか愕然とされつつ、お墨付き頂きました。
こうして……病院全体に大迷惑をおかけした、幼き私のギャン泣きお騒がせ事件は、紛うことなき黒歴史の1ページを刻み、終わりを迎えたのでした……。
忘れたままでいたい、黒い歴史が、また1ページ。
…………………。
超ッ恥ずかしいですッッッ!!!
― おわれ★ ―
※ちょっぴりあとがき★
黒歴史放出祭ということで、思い出のまま閉じ込めておくのも何だしなと思い、せっかくなので吐き出させて頂きました。
何というかこう、供養にでもなれば、幸いです……★(顔真っ赤)
10歳の頃、病院でギャン泣きして超迷惑をかけまくった恥ずかしい想い出♪ 初美陽一 @hatsumi_youichi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます