第5話おかあさん
チィチィはフクロウに見つからないように必死に走りました。
森はもうすぐそこです。
「おかあさん、おかあさん!」
チィチィは走りながら、人間には聞こえない高い声で、何度もおかあさんを呼びました。
「チィチィ、チィチィ!」
おかあさんもチィチィを呼びます。
チィチィはゆるやかな坂をかけのぼり、たくさん木が生えている森までたどりつきました。
夜の森はザワザワと枝を揺らし、繁った葉の間から、おつきさまのやわらかい光がそそいでいました。
「おかあさん!」
「チィチィ!」
呼び交わしながら、少しずつ声が近づいて行きます。
「おかあさん!」
森の入口にはおかあさんの姿がありました。
チィチィはおかあさんの腕の中へ飛び込みます。
「チィチィ!」
おかあさんは胸のなかしまいこむようにして、ちいさなチィチィを抱きしめました。
===================
メガネザルは「森の妖精」と呼ばれるくらい、小さくて可愛い猿の仲間です。
東南アジアの森で、木の上で暮らしていますが、森林伐採や開発で住処を無くし、さらに、可愛い見た目からペットとして捕らえられたりして数を減らしています。
絶滅の危機にある種類もあるそうで、自然環境の保護と種の保護が急務になっています。
メガネザルに限らず、自然の動物たちが暮らせる環境がなくならないように、地球上からその姿が消えてしまわないように、みんなで考えていかなければなりませんね。
《終》
メガネザルのチィチィ 仲津麻子 @kukiha
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます