メガネの多様性
月乃兎姫
第1話
メガネといえば、視力補正が主な役割である。様々な理由から、人は眼鏡をかけている。それというのも、実生活において支障がある場合がほとんどだからだ。文字が見えない、人や物との距離感が正しく認識できないなど、人によっては日常生活すら困難と成り得ることだろう。
しかしながら、目が悪くない人でも眼鏡をかけるときがある。ファッションやフェチズム、眼鏡をかけるだけでも人からの印象は大きく変わるものだ。漫画やラノベでいえば、何ら特徴のない大人しそうな暗いヒロイン(図書委員かクラス委員)の子がある時、眼鏡からコンタクトレンズに変え、イメチェンして周りから「可愛い」などと褒められる。
正直、眼鏡かけていた時の方が可愛いよね。もはやそれは私の印象でしかないが、その一点だけでいえば、コンタクトは邪道と言える。そんなものは、ただの視力補正道具でしかない。そもそも目に物を入れ、表面に傷がつかないわけもなく、逆に視力が落ちたり、ズボらな人なら毎日交換や洗浄もせずにずっと付けたまま、失明するなどリスクが高い。
一見、「そんな馬鹿な話が本当にあるか?」と思われるだろうが、海外では自分がコンタクトレンズしているのを忘れ、毎朝毎朝律儀にもコンタクトレンズを装着して、実に30枚以上も重ね着けた女性もいるほどだ。もはや目からうろこどころか、ホラー物語ですら語れるものではない。
その点、眼鏡ならば2重3重に重ねるなんてことはないはずだ。せいぜい自分が眼鏡をかけているのを忘れたり、探したりするくらいのもの。
メガネをかけることは、顔の印象やかけている本人の心理すらも変えるものであるが、本当に変わったのはそれを見ている人でしかない。そんなもので人を判断して、果たして正しいと言えるのか? 人の価値は、見た目の印象だけで決まるものなのか? 親しくない人ならば、「Yes」と答えるであろうが、本質的には何ら変わっておらず、いずれは綻びが生まれる。
メガネの多様性 月乃兎姫 @scarlet2200
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