英雄ではなく、ただの人があがく物語

この物語は、決して煌びやかな英雄譚ではないだろう。
ただの一般人でしかなかった人間が、世界を救う主人公の役割を担わねばならないなど、重石以外の何物でもない。

ブレイブが初めカインに全てを任せてしまったのも、第三者からしたら無責任と謗られても仕方ないかもしれないが、けれどブレイブからしてみれば、ある日唐突にこう言われたのだ「世界がピンチです。どうか世界のためにたくさん苦しんで、死にかけて、ボロボロになって、それでも最後まで諦めずに魔王を殺すまで戦ってください」と。

英雄の役目をただの人が押し付けられる。
普通の人でしかない彼が、どんな旅路を歩んでいくのか一読者として、これからも期待しております。