いけいけ勇者様75

最上司叉

第1話

【ガチャ】


そして勇者は街に伝わる伝説の武具をまとい魔物との戦いに向かった。


【グニャア】


「早速お出ましか!」


【ヒュン】


勇者は魔物の攻撃を避ける。


「そらよっ!」


【グチャア】


勇者の剣での攻撃は魔物に簡単に当たったが魔物に全く効いてない。


「なんだ?!」


魔物を剣で切っても手応えが無いどころか魔物の形が歪むだけだ。


次の瞬間には魔物は元の形に戻っている。


「これは厄介だな!」


勇者は魔物の攻撃を避けながら呟く。


するとこの前の声の主がまた勇者に話しかけてきた。


『ちょっとまたアンタなの!』


「うるさい、しょうがないだろ!」


『うるさいですって!?』


「…すまない力を貸してくれ」


『イヤよ!』


「この街が滅亡の危機なんだぞ!」


『ぐぬぬ…!』


「協力してくれるのか?!」


『…分かったわよ!』


「ありがとう!」


『……魔法障壁展開…各機能フル解放…戦闘モードに移行します…』


「なんだ?!」


勇者は眩い光に包まれた。


【ヒュン】


【シュー】


魔物から飛んできた液体は勇者の目の前で消えた。


「どうなってる?!」


『…』


「おい!」


『…』


「なんだ?何がどうなってる?!」


声の主は突然喋らなくなった。


「こうしてても埒が明かない!」


【ブォン】


【シュー】


「?!」


勇者の剣の攻撃が魔物に当たった瞬間魔物の身体が少し溶けた。


「これも声の主のおかげか!」


勇者は魔物に勝てると思い攻撃をたたみかけた。


【シュー】


魔物は動かなくなった。


「勝てたのか?」


【グニャア】


「?!」


空間がいくつも歪み魔物の大群が現れた。


「!!」


魔物の大群は街を襲いはじめた。


「クソッ!片っ端から片づける!」


【ブォン】


【シュー】


【ブォン】


【シュー】


勇者は何体の魔物を退治したか分からないくらい魔物を切り続けた。


倒しては現れ倒しては現れキリがない。


「…」


勇者は終わりのない戦いに勝利できるのか分からなくなった。


声の主も何も言わない。


勇者はたった1人で終わりの見えない戦いに挑むのだった。


「…」


どれくらいの時間が経ったのだろう。


勇者は何百いや何千の魔物を切った。


その度に空間が歪みまた魔物が現れるのだ。


「…どうしたら?」


勇者は戦いに疲れてきている。


前の戦いは声の主と協力して勝てた。


そんなことを考え始めた瞬間勇者は突然思い出した。


「そういえばこの前剣から光が出たな…」


勇者はそのことを思い出し試してみることにした。


「えいっ!!」


……何も起こらなかった。


「…ダメか…」


その時剣が光始め何かが剣から出た。


【ドォンッ】


「!!」


光に当たった魔物が消えていく。


勇者は一筋の光を見出した。

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